Web制作者の中でSimilarWebはアクセス数やユーザーがどこから来てどこに移動したのかといった情報がかなり正確に分かってしまうアクセス解析のウェブサービスです。競合分析で使いたいサービスですね。
このブログでも以前「【Web制作】Zenbackからのアクセス数が急激に減少。原因を調査してみたら…」というエントリーで使用しました。
Similarwebは、どのくらいの精度があるのか見てみたいと思います。実際のアクセスログ(googleアナリティクス)とSimilarwebを比較してみました。Similarwebは、どうやってアクセス数を推測しているのか気になるところでもあります。結論からいうと精度の高さに驚きました。
他人のサイトのアクセス数が分かっちゃう恐ろしいサービス Similarweb - ふりむけばコウホウ
そんな結構正確といわれるSimilarWebですが、アクセス解析のソースが何か気になりますよね?
なんでアクセス数やユーザーの移動がわかるのか、と。
画像出典:Website Traffic & Mobile App Analytics | SimilarWeb(Website Traffic & Mobile App Analytics | SimilarWeb)
サイボウズの秋元さんのブログを読むとその答え(の一部)が分かります。
端的に言うと、Web制作者の中でよく使われるスクリーンショットを簡単に撮れるGoogle Chromeの機能拡張「Awesome Screenshot」にはユーザーの同意なしに閲覧したページの情報をとあるサーバーに送信する機能が付いている(送信を停止する機能は無い)。
その「とあるサーバー」がSimilarWebを運営する会社のサーバーと同じサーバーと考えられる。つまり「Awesome Screenshot」ユーザーの情報を元にSimilarWebのアクセス解析情報は生成されていると言える。
内部で使われているブラウザ拡張を精査し、Diigo社のChrome拡張Awesome Screenshot がURLをネットに対して送信していることを見つけた
Awesome Screenshot が閲覧したサイトのURLを収集している疑い | 秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ
Awesome Screenshot 拡張が7つもの外部のサーバにアクセスしていることを問題にしていますが、lb.crdui.com もこの7つのうちの1つで、webovernet.com にリダイレクトします。このwebovernet.com は SimilarWeb のサイトだと主張している人が複数います。
SimilarWeb は、「このサイトを見ている人はこちらのサイトも見ています」というのを調べたりできるwebサイトです。サイトのページビューや訪問者数などの推測データも出してくれる数少ないwebサービスですが、以前から、どうやって色々なサイトのアクセス数などをそこそこ正確に推測できているのか、不思議に思われていました。
もし、Awesome Screenshot などのブラウザ拡張が SimilarWeb にユーザーのアクセスしたURL情報を横流ししているとすれば、サイトのトラフィックを推測できるのも道理です。
冒頭のbot、niki-bot の使っていたIPアドレスが、以前にSimilarWeb.com の使っていたアドレスだったという証拠も出てきました。
Awesome Screenshot が閲覧したサイトのURLを収集している疑い | 秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ
知らず知らずのうちに、閲覧ページが漏れていると思うとビックリですね。まさかスクリーンショットを撮るための機能拡張にそんな仕込みがあるとは!
実は私も「Awesome Screenshot」を使っていました。現在は使っていません。
情報が漏れていたのだなと思うと怖いですね。
SimilarWebという便利なサービスはこうしたユーザーのあずかり知らない情報に支えられていたのだと思うと、何かモヤモヤしたものを感じます。(SimilarWebのサイトを見ると、アクセス解析の情報源(ソース)は複数あるように見えますので、「Awesome Screenshot」ユーザーの閲覧情報だけではないと思いますが)
みなさんはどう感じましたか?
それでは。
●参考・関連ページ
- Awesome Screenshot が閲覧したサイトのURLを収集している疑い(秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ)
- SimilarWeb