「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」で会計の大前提を学ぶ(2)―連結経営―


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概要 ▶ 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉著・光文社新書)を読んだ感想です。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」で会計の大前提を学ぶ(1)―利益の出し方―の続きになります。さおだけ屋はなぜ潰れないのか?著者:山田真哉価格:735円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る今回は「エピソード2:ベットタウンに高級フランス料理店の謎 ――連結経営――」を取り上げたいと思います。
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『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉著・光文社新書)を読んだ感想です。


「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」で会計の大前提を学ぶ(1)―利益の出し方―の続きになります。


さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
著者:山田真哉
価格:735円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る




今回は「エピソード2:ベットタウンに高級フランス料理店の謎 ――連結経営――」を取り上げたいと思います。

エピソード2:ベットタウンに高級フランス料理店の謎 ――連結経営――」より

このエピソードでは住宅地にあるそんなにお客が入っていない高級フランス料理店がなぜ商売としてやっていけるのかを考えるエピソードです。

商売は利益を出して継続性を持たせることが重要で、利益を出すには

  • 売り上げを増やす
  • 費用を減らす

(P36より)と前回書きました。

高級フランス料理店がこの点に準拠しているかを考えます。
(高級フランス料理店の収入はある程度あるとして)結論としては、料理教室・ワイン教室を開催しているからではないか、というものでした。


会場はお店を利用し、講師はスタッフを活用することで、店の費用としては

  • 場所代(1)=(会場を新たに用意するわけではないので追加料金として)0円
  • 講師代=スタッフの給料(通常の給料に講師代の手当を追加する)
  • 告知費=0円(店内掲示)

となります。このことで、大幅な費用を掛けることがなく事業を行うことができます。


あとは売り上げを増やすための条件ですが、

  • 客層=主婦層
    生活圏内に会場がある方が都合がよい

  • リピート効果(1)=お店に来てもらうことによるお店への親密度の向上
    本業の料理への後押し

  • リピート効果(2)=客層が主婦層なので口コミによる効果・誘客効果も期待できる
    客数の増加・安定化

  • お得感=「高級」フランス料理店のスタッフが講師なので、高級感がある
    受講料金はある程度高くできる(単価のアップ)

といった感じでしょうか。

「リピート効果(1)=お店に来てもらうことによるお店への親密度の向上」について

リピート効果(1)では親密度の向上と書きました。

親密度を上げるためには、お客とお店との接触回数を増やさなくてはいけません。
教室というのは例えば曜日や日程が決まっていて回数が決まっていることが多いので、計画的に親密度を向上させることができます。
通常の来店のように不規則に来店するわけではないので、高い効果が期待できます。
親密度が向上してくれば、教室内で本業のレストランの旬の料理などを軽く紹介しても抵抗感はかなり薄れて受け入れられやすくなると思います。


また、こういった飲食店ではやはり食べてもらわないことには始まらないので、そのきっかけをどこに持ってくるかが飲食業の悩みだと思います。
食べるまでは誰しも「このお店で大丈夫だったかな…」と不安ですから…。
新規オープン時に割引されたメニューを作る、試食会を開催するなどのキャンペーンを行って食べて頂くといったことも考えられますが、今回の例だと、料理教室やワイン教室内で、自然にお店の料理を口にさせることができるのであれば、味の確認をして頂くことが可能なので、安心してお店に来て頂けるという効果が期待できます。


「リピート効果(2)=客層が主婦層なので口コミによる効果・誘客効果も期待できる」について

リピート効果(2)では誘客効果と書きました。

本文では本業のレストランの方に効果が出るとありましたが、主婦層であれば一人でこっそり教室に来るというより、(仲間意識を崩したくないという思いから?)知り合いの方と複数名で教室に来るといった場合も多いのではないでしょうか。複数名で来てもらえれば売り上げは当然向上します。

また、教室への集客がより簡単であれば「集客コスト」(費用)を下げられるので利益に対して良い効果が生まれます。


料理教室とワイン教室について

本文中では触れられていませんが、個人的には料理教室とワイン教室とふたつ用意されている点が良いと思いました。

こう言ってしまうと怒られるかもしれませんが、料理教室はかなりアクティブに動かなくてはならないのに対して、ワイン教室はアクティブな割合は料理教室に比べればかなり少ないです。つまりワイン教室は入りやすいというコースでもあると思います。


例えば料理教室と日本酒教室があったとします。私はほとんど料理をしないので、今後料理をじゃんじゃんやっていかなくては…というシチュエーションになったらしぶしぶ料理教室に行きますが、そうでなければ日本酒教室に行きますね(笑)。


料理教室とワイン教室のふたつを用意しているのは、そういった非アクティブな客層もターゲットにしていてなかなか良いなぁと思った次第です。
もしかしたら料理教室を卒業したら、自宅でおいしい料理を振る舞うことが多くなってしまって本業のレストランの方には来ないかもしれないですが、ワイン教室の卒業生の方は自分の知ったワイン知識が正しいかを確認するために本業のレストランの料理に来るかもしれないといったことも考えられますので…。

エピソード2のまとめ

いずれにしても、本業とうまくリンクできる副業を展開できるかがポイントになります。
本業と副業で全く違うことをすると、集客・誘客の流れが途絶えてしまって、コストがアップすることもありますし、ブランド価値を高められないということにもなりかねません。
会社の事業を拡大する場合には注意したい点ですね。


それではまた~(。・ω・)ノ゙
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