みなさん、電子マネーは何をお使いですか?
電子マネーとひと言でいっても、いろんな種類がありますよね。
Suicaなどの交通系ICカード、楽天のEdy、イオンのWAON、セブン-イレブンのnanacoなど、さまざまな電子マネーが現在利用されています。
最近、近くのドラッグトップスの店舗で「サンドラッグEdyカード」の宣伝がされていました。名前にEdyと入っているので電子マネーのようですが、気になって調べてみました。
店内にあったサンドラッグEdyカードのチラシ
サンドラッグEdyカードを知ったきっかけは店内ポスター、店内放送、チラシです。結構力を入れてやっていますね。
チラシを持ってきたので写真を掲載します。
こちらにはサンドラッグEdyカードは「電子マネーEdy機能付きポイントカード」ということでポイントカードに電子マネーのEdyの機能が付いたということをお知らせしています。
さて、この電子マネーのEdyですが、どういった機能を持っているのでしょうか?
まずは一般的なEdyについて紹介します。
Edyとは
Edyとは楽天が運営している電子マネーのひとつです。
お金を事前にチャージして使うプリペイド型の電子マネーです。
Edyは歴史が非常に長い電子マネーです。
Edyは、2000年2月に「Edy!」という名称で実証実験がスタートしました。2001年11月に「Edy!」から「Edy」に名称を変更して本格的にスタートしています。
今年(2023年)で22年目です。2001年というとまだスマートフォンもない時代です。移り変わりの激しいIT業界において、その頃から今まで使われてきたというのはすごいことだと思えます。
- 参考:沿革(楽天Edy)
Edyが使えるお店
画像出典:導入を検討のみなさまへ | 法人のお客様 | 電子マネー 楽天Edy
Edyが支払いに利用できるお店は2023年3月1日現在で全国120万か所以上だそうです。みんなのマネ活によると2022年4月1日時点では97万か所だったということなので、まだまだ使えるお店が増えているようです。
本格スタートから20年経っても、まだ対応するお店が増えているというのは驚きですが、これは安価で導入できるリクルートのAirレジとAirPayなどのタブレット端末と決済端末を使ったレジを使うお店が増えてきているからと考えられます。
コロナ禍で非接触の決済が促進されたこともひとつの要因かもしれません。
私が所属する会社でもイベントでの決済ではスマレジと楽天ペイというサービスを組み合わせたレジでEdyを含めたさまざまな決済に対応しています。
- 参考:今さら聞けない「楽天Edy」の特徴やメリット。使い方もやさしく解説(みんなのマネ活)
- 参考:導入を検討のみなさまへ(楽天Edy)
Edy機能を搭載したツール
Edyは、カード型のEdy、おサイフケータイ対応のAndroid端末で使えるスマホ型のEdy、キーホルダー型のEdyなどがあります。いろいろな形があるので、自分のスタイルに合わせたツールを選べますね。
- 楽天市場でEdyを検索した結果(楽天市場)
残念なところはiPhone(Apple Pay)が対応していないことです。nanacoやWAONが対応しているのになぜ…という感はありますが、nanacoもWAONもiPhoneに対応したのが、それぞれ2021年10月とかなり時間が掛かったので、電子マネー周りは色々と時間が掛かるのかもしれません。
【参考】以下の記事にEdyがiPhoneに搭載されない理由の推察が掲載されています。Edyの成り立ちも影響しているようですね。
もう1つEdyとの大きな違いが、楽天キャッシュはあくまで「楽天の制御下にあるサービス」という点だ。楽天Edyは買収以前のビットワレットの時代の経緯もあり、銀行を含む複数のバリューイシュアが存在している。スタートアップ企業の1社に過ぎなかったビットワレットが市場を広げるために採った戦略ではあるが、この点は楽天Edyが名前とは裏腹に完全には同社の制御下にはないことを意味する。
ある関係者によれば、バリューイシュア間での複雑な契約が存在しており、Apple PayにEdyが搭載されない理由の1つになっている可能性があると指摘している。いずれにせよ、楽天Edyは現状で広く利用される環境がありながら、グループ戦略の中核となるには至っていない状況にある。
楽天に「楽天キャッシュ」が必要な理由。Edy・ポイントとの違い【鈴木淳也のPay Attention】-Impress Watch
Edyの良い点はすばやく決済ができること
Edyの最大の利点は支払い端末にタッチするだけですぐに支払いが完了する点です。その時間はタッチからほぼ1秒以内です。暗証番号なども必要ないので非常にスピーディです。
私の話になりますが、近所のドラッグトップスの支払いではおサイフケータイのEdyを使っていました。
現在はセミセルフレジ(買い物のバーコードは店員が読み取って、支払い金額が確定したら別の場所にある専用のレジ端末で以支払いをするレジのこと)ですが、以前は有人レジでの支払いでした。
支払いが終わらないと次に待っている人のレジ作業が進められないので、レジの列が長いときには「なるべく早く終わらせたい」というプレッシャーが少なからずありました。特にポイントが多く還元される曜日の夕方は混むんですよね。このため端末にタッチした瞬間に支払いが完了するEdyが最適だったというわけです。
サンドラッグEdyカードとは
サンドラッグEdyカードは2022年10月1日より始まったサンドラッグオリジナルのEdyカードです。
サンドラッグEdyカードの説明では「電子マネーEdy機能付きポイントカード」と書かれているとおり、単に「Edyカード」である、「カードのデザインがサンドラッグになっている」というだけでなく、裏面はサンドラッグの会員証として使用することができます。
レジでサンドラッグのバーコードの提示を求められたとき、このEdyカードの裏面のバーコードを提示すると、サンドラッグポイントが貯まるようです。
名前のとおり、Edyカードとしての機能を搭載していて、事前にチャージした金額内であれば、支払い時にタッチ決済で商品の支払いに使用できます。
カードのデザインは以下のようになっています。スッキリとシンプルなデザインですね。
入手方法や必要な費用について
サンドラッグEdyカードはサンドラッグやドラッグトップスの店頭にて、サンドラッグEdyカードの申込用紙を書いて申し込みます。
入会金や入会特典は以下のとおりです。
- 入会登録費用:200円
-
入会登録後:200ポイント(サンドラッグポイント)をゲットできる
登録費用は200円掛かりますが、入会特典として1ポイント1円で使用できるサンドラッグポイントが200ポイント付与されるので、実質無料でEdyカードを手に入れられるというものです。一般的にEdyカードは有料なので、実質無料で手に入るのはうれしいですね。
サンドラッグEdyカードは通常のEdyカードと何が違うのか?
Edyカードは楽天市場で販売していますし、おサイフケータイに対応しているAndroidであれば、無料で電子的にEdyカードを発行して、スマートフォンをEdyカードの代わりにできます。
楽天カードを申し込むときにEdy機能を付帯すれば、無料でEdyの機能を持ったクレジットカードを入手できます。
わざわざ入会登録費用200円(税込)を支払って手に入れるサンドラッグEdyカードは通常のEdyカードと何が違うのでしょうか?
貯まるポイントが楽天ポイントではなくサンドラッグポイント
それはお買いもので貯まるポイントが「楽天ポイント」ではなく「サンドラッグポイント」である点です。
サンドラッグのお店(ドラッグトップスなど)でサンドラッグの会員証(ポイントカード)を提示したときにもサンドラッグポイントが貯まりますが、それとは別にEdyで支払いを完了したときに貯まるのがサンドラッグポイントなのです。
なんと、サンドラッグのお店以外のコンビニや駅ナカ、ほかのスーパーなどでサンドラッグEdyカードを使用して支払いをした場合にもサンドラッグポイントが貯まります。楽天が運営しているEdyカードなのに楽天ポイントは一切貯まりません(笑)。
改めて書いてみると、やはりすごいな。
ポイント還元率が割と高い点がメリット
サンドラッグEdyカードでお買いものを支払ったときに貯まるポイントはサンドラッグポイントなのですが、ポイント還元率が割と高いです。
サンドラッグ・ドラッグトップスの店内のお買いものを100円(税抜)で1ポイント貯まります。つまり1%還元です。(これは何もない日の場合で、ポイントデーの場合はお買いもの100円で5ポイントになったり6ポイントになったりします)
さらに次に書きますが、サンドラッグ・ドラッグトップスの店内でEdyへ現金チャージをすると1000円につき5ポイントが貯まります。つまり0.5%還元ですね。
チャージで0.5%、使用で1%で合計1.5%のポイントが貯まる支払い方法になるわけです。
ちなみに「サンドラッグ・ドラッグトップスの店内のお買いもの」とわざわざ書いたのは、サンドラッグ・ドラッグトップスの店内以外のコンビニやレストランなどでサンドラッグEdyカードを使って支払ったときは貯まるポイントが異なります。サンドラッグ・ドラッグトップスの店内以外では200円(税込)の金額ごとに1ポイント貯まる仕組みになっています。還元率としては0.5%です。
サンドラッグ・ドラッグトップスでの使用よりポイント還元率が低いのか…と思われるかもしれませんが、通常のEdyも200円(税込)で1ポイント還元なので、ポイント還元率は同等です。損はしていません! あくまでサンドラッグ・ドラッグトップスの店内のポイント還元率が特別に2倍だと思ってください。
※楽天Edyのポイントプラス加盟店は200円(税込)で2ポイント貯まるので1%還元なのですが、楽天Edyのページによると「椿屋珈琲店、スパゲッティ食堂ドナ、ぱすたかん」だけなので、ほとんどの場合は対象外です。
ちなみに、サンドラッグ・ドラッグトップスではサンドラッグ・ドラッグトップスのポイントカード以外に、楽天ポイントカードの提示で楽天ポイントをゲットできるので(還元率0.5%)、それはそれでもらっておきましょう(笑)。
ポイントがもらえるチャージの方法が限定されている
Edyのチャージはいくつかの方法があります。
現金を使う方法と、スマホのアプリを使う方法です。
現金を使う方法は、レジで「Edyにチャージしてください」と言って現金を渡せばチャージしてくれます。セブン-イレブンのATMでもチャージができます。ATMだと画面を操作するだけで良いので気軽にできますね。
- 参考:楽天Edyにチャージ(入金)をする(楽天Edy)
サンドラッグEdyカードも同様のチャージができます。しかし、サンドラッグEdyカードでは、これらのチャージ方法はオススメできません。理由を解説します。
一般的なEdyはチャージするときに200円に楽天ポイントが1ポイント付きます。
しかし、サンドラッグEdyカードは先ほども書いたように楽天ポイントは一切貯まらない仕組みになっています。あくまでサンドラッグポイントが貯まる仕組みになっています。これはチャージも同様です。
サンドラッグEdyカードは次のような制限(仕様)が明記されています。
チャージポイントはサンドラッグ・ドラッグトップスのレジもしくは、店内設置のチャージ機でチャージした金額のみが対象となります。
サンドラッグEdyカード | サンドラッグOnline Store
つまり、サンドラッグ・ドラッグトップスの店内でのチャージのみがポイント進呈の対象で、スマートフォンやコンビニのレジやセブン-イレブンのATMなどでチャージした金額はポイント進呈の対象外になるのです。これはちょっとした罠ですね。
サンドラッグEdyカードの存在意義
サンドラッグEdyカードを運営側、お客側から見た存在意義を考えてみます。
サンドラッグの運営からの視点
サンドラッグの運営側から見ると、通常のEdyや楽天ペイの仕組みだと、お買いもので付与されるのは楽天ポイントです。楽天ポイントは、いわゆる共通ポイントなので、サンドラッグのお店で使うこともできますが、ほかのお店や楽天市場などのオンラインショップで使われてしまう場合も多くあります。つまり付与したポイントが流出するだけになる可能性もあり、サンドラッグの運営側から見ればあまり喜ばしくない状況になります。
こうした状況を解消するためには、自社のポイント(今回はサンドラッグポイント)で囲い込む必要があります。お店で商品を購入したときに、サンドラッグポイントしか貯まらないようにするということです。サンドラッグポイントは、サンドラッグ・ドラッグトップスのお店でしか使用できないため、それを使うためにお客はお店に戻ってくる。つまり、サンドラッグの経済圏内でグルグルとポイントが循環します。
このサンドラッグポイント経済圏に取り込むためにあるのが、サンドラッグEdyカードなのです。
また、サンドラッグEdyカードへチャージするときのポイントをもらうためには、サンドラッグ・ドラッグトップスの店内のレジかチャージ機を使う必要があります。つまり、来店しないといけません。この制限(仕様)はサンドラッグEdyカードを使っている人に来店してもらうための集客のサポートをしているものだと考えられます。
お客側の視点
サンドラッグ経済圏に取り込まれるお客側にもメリットがなければ使わないですよね。
お客がサンドラッグEdyカードを使うメリットは以下のとおりです。
- 実質無料でEdyカードをもらえる
- 現金でのEdyチャージにもポイントが付いておトクになる(限定条件あり)
- 店内のお買いものでは通常の電子マネーなどよりポイント還元率が高いのでおトクになる
- ほかのお店でもEdy決済に対応しているところで支払いに使えて、ポイントが貯まる
- サンドラッグのポイントに集約することで管理がシンプルになる
- 支払いがタッチ決済で素早く終わる
- 非接触の決済なので衛生的
- サンドラッグ・ドラッグトップスのポイントカードとして使える
- スマートフォンアプリの●●ペイなどよりシンプルに使える
Edyの機能によるところも多いですが、やはり「高い還元率」「管理のシンプル化」「スピード決済」が大きなメリットになるのではないでしょうか。
また、リストの最後に書きましたが「●●ペイ」は支払いの仕組みやさまざまなサービスへの誘導などが多く、アプリの画面がシンプルではなくなってきています。サンドラッグEdyカードの利用は現金チャージしておけば、あとはカードをタッチして支払うだけなので、非常にシンプルです。サンドラッグEdyカードはポイントカードとしても使えるので、レジではこのカードを提示し、そのままレジの端末でタッチして支払うだけです。楽天ポイントを獲得するにしても、物理的な楽天ポイントカードをどこかでゲットしてくれば、スマホを取り出す必要がまったくありません。
貯まったサンドラッグポイントについても、サンドラッグ・ドラッグトップスなどでお買いものをする際は、生活用品を買えば結構な金額になるので、常にポイントをすべて使うようにレジで操作すれば、ポイントを使い切れないということはないでしょう。
サンドラッグEdyカードはおトクなのか?ということをまとめてみましたが、いかがでしたか?
ここまで書いていて、自分がサンドラッグEdyカードを使うか…といったら、楽天経済圏にいて楽天ポイントに集約したいなという思いがあるので使わないです(そもそも現金を持ち歩かないので現金チャージがちょっと難しい)。
楽天経済圏にいない方や、スマホをそんなに使っていない方は、支払い方法を少し変えるだけで現金で普通に支払うよりおトクになるので、オススメできます。
興味があったら一度検討してみてはいかがでしょうか。
それでは、よいEdyライフを。