こんにちは。
毎日デスクトップ版のOutlookでメールを大量に受信している笹川です。
最近はテキストのメールよりグラフィカルなHTMLメールを受信することも多くなってきました。
ビジネスの現場でも以前よりはHTMLメールの嫌悪感は少なくなってきていますよね。（テキストメールに見えていても文字の色やサイズ・太さを変えているメールはHTMLメールです）
HTMLメールはテキストメールより確かにわかりやすくインパクトもあるのですが、ビジネスで使うOutlook（Windowsのデスクトップ版）で開くとこういう感じになることはありませんか？
- 横にはみ出て表示されている
- 字がやたら大きい
LINEから送られているLINE公式アカウントについてのお知らせメールなどもこんな感じです。
企業のLINE公式アカウントの運用はPCでやっている方も多いと思いますけどいいのでしょうかね…。
なぜOutlookでこのような表示になるのか
すべてがすべてOutlookで体裁が崩れてしまうメールではありませんが、Outlookではある程度Tableタグで幅をピクセル指定で設定した組み方をしないとこうした読みづらいHTMLメールになってしまいます。
Tableタグで組むなんて、Web 1.0時代？と思う方がいるかもしれませんが、現状はそういうものなのです。MicrosoftがOutlookのHTMLのレンダリングエンジンにあまり力を入れていないということなのでしょうか。
メールマガジン配信サービスではOutlook対策が行われているものもあり、私が使っているメールマガジン配信サービスのMailChimpでは、Outlookで体裁が崩れないためのタグが大量に埋め込まれていて、実際Outlookで開いても体裁は崩れません。
なお、オンラインのOutlook.comは、こうした対策を行わなくても体裁が崩れずに表示されます。Gmailも同様に体裁は崩れません。
OutlookでHTMLメールを外部ブラウザーで開く方法
ビジネス向けにこうした体裁が崩れるHTMLメールを送ることは好ましくはありませんが、それはそれとして、Outlookは適切に表示されないHTMLメールを外部ブラウザーを使って表示する機能があります。
それがメールの上部にある「このメッセージの表示に問題がある場合は、ここをクリックしてWebブラウザーで表示してください。」という表示です。
ここをクリックして出てくる「ブラウザーで表示」をクリックすると、外部ブラウザーが起動して、HTMLメールを適切な表示で見ることができます。（なぜ「ブラウザーで表示」という表示が出てくる必要があるのか謎…）
今後はInternet ExplorerからEdgeに変わる
この機能は以前はInternet Explorerが開いて表示されてました。
しかし、2022年6月15日にInternet Explorer（IE）のサポートが終了します。WindowsでInternet Explorerを使用することはセキュリティリスクになりますし、そもそもInternet Explorerが起動しなくなる予定です（Internet Explorerアイコンを開いてもMicrosoft Edgeブラウザー（以下Edge）が起動する）。
IE モードを搭載した Microsoft Edge が正式に Windows 10 版 Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションの後継となり、Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションは 2022 年 6 月 15 日をもってサポートを終了します。
Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションのサポート終了 – 発表に関連する FAQ のアップデート - Windows Blog for Japan
iexplore.exe がデバイスから削除されるのですか。
いいえ、削除されません。アクセスしようとしても IE11 は開かずに、Microsoft Edge にリダイレクトされます。
Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションのサポート終了 – 発表に関連する FAQ のアップデート - Windows Blog for Japan
なお、Windows 11では標準の設定では、HTMLメールはEdgeで表示する設定になっています。
それでは、今までInternet Explorerが開いていたHTMLメールをEdgeで開こうとすると以下のようになります。
HTMLをソースそのまま表示……。これでは役に立ちませんね。
Edgeの設定を変更してHTMLメールを開けるようにする
Edgeの設定を変更してHTMLメールを開けるようにしましょう。
Edgeの設定の中に「既定のブラウザー」があります。その中に「Internet Explorerモードでサイトの再読み込みを許可」の項目がデフォルト（最初に設定されている値）だと「既定」になっています。
この設定を「許可」に設定します。
設定を有効にするにはEdgeを再起動しなければならないので、青いボタンの「再起動」をクリックします。（もしくはすべてのタブを閉じて再度Edgeを開きます）
HTMLメールをEdgeブラウザーで表示する
この状態でOutlookの「このメッセージの表示に問題がある場合は、ここをクリックしてWebブラウザーで表示してください。」をクリックします。
するとEdgeがInternet Explorerモードになり、正しく表示されます（Internet Explorerが解釈できる範囲内で）。
ブラウザー上では「このタブでドキュメントを起動するために、Internet Explorerモードが使用されました。」と上部に表示されます。
ただし、問題点がいくつかあります。
「ファイルが見つかりません」が表示されて見れないこともある
HTMLメールをEdgeで開こうとすると、結構な割合で「ファイルが見つかりません」（ERR_FILE_NOT_FOUND）という表示が出ます（Windows 10環境）。
ブラウザーで表示するための一時ファイルを開くタイミングの問題なのか何なのかはわからないですが、Outlook側に戻って、メールからもう一度「ブラウザーで表示」を選択すれば表示されます。
右クリックメニューがInternet Explorerのまま
HTMLメールをEdgeで開いている状態では、Edgeの中でInternet Explorerが動いているような状態になるので、右クリックの挙動がInternet Explorer準拠になります。つまり右クリックのメニューがEdgeとは異なります。
右クリックしてみると、こんなメニューが出てきます。
電子メールのWindows Live Hotmailってなんだか懐かしいサービス名ですよね。選ぶと、Outlook.comのメールサービスが開きます。Hotmailも遠くになりにけり…。
なお、右クリックのメニューに出てくる「Bingで翻訳」はWeb翻訳ツールページに転送されて動作しないので、英文のメールを訳すことはできません。役に立たなすぎる…。
EdgeのIEモードはいつまで使えるのか？
ちなみにEdgeのIEモードはいつまでもあるわけではなく、最長で2029年までのサポートです。
IE モードは、Windows クライアント/Server/IoT の各リリースのライフサイクルに準じ、2029 年までサポートいたします。サポート終了日の 1 年前にはマイクロソフトから告知する予定です。
Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションのサポート終了 – 発表に関連する FAQ のアップデート - Windows Blog for Japan
さすがにその頃までには、Windowsのデスクトップ版のOutlookのHTMLメールの表示能力も改善されているとは思いますが、Microsoft 365などのサブスクリプション版のOfficeを使用していない（＝買い切り型のOfficeを使用している）場合は注意が必要かもしれませんね。
素人考えですが、HTMLメールの表示部分にMicrosoft Edge WebView2の機能を使えば解決するように思うのですが、違うのでしょうかね……。
いずれにせよ、デスクトップ版のOutlookを使っているユーザーは、Edgeの設定を変更して、体裁が崩れるメールに対して、しばらくは紹介した作業をする必要があります。
Microsoftにはデスクトップ版Outlookの表示機能の改善を期待しつつ、HTMLメールと付き合っていきましょう。
ただ、以下のニュースを見てみると、意外と近い未来にHTMLの表示品質は改善するかもしれませんね。
まずは法人向けのMicrosoft 365のOutlookからということですが、ウェブ版とコードを共通化するそうなので、メールの表示品質も大きく変わりそうです。
米Microsoftは5月18日（現地時間）、Windows デスクトップ向けの新しい「Outlook」をプレビュー公開した。Web版のコードベース統一を進めることで他のプラットフォームとの一貫性を持たせたほか、AI技術の活用、「Loop」や「To Do」といった同社製品との統合、受信トレイの改善などにより生産性が大きく向上している。
Windows版「Outlook」がWeb版とコードを共通化してリニューアル ～プレビューテストが開始 - 窓の杜
それで、よいメールライフを。