朝日新聞の記事より、中小出版社がAmazonへ対し出荷停止に踏み切るというニュース。
アマゾンは2012年から10%還元を始めた。これに対して緑風出版などは、10%もの還元は事実上の大幅値引きにあたり、小売価格を維持する再販契約に違反すると主張。サービス停止を申し入れてきたが受け入れられないため、5月から出荷停止に踏み切る。期間は半年間で、自社の出版物にサービスが適用されなくなれば解除するという。
出版社にとってアマゾンはもっとも売り上げの大きい「得意先」だ。緑風出版の高須次郎社長は、「出荷停止には勇気がいるが、このままでは定価販売を守る街の書店が消えてしまう。書店トップのアマゾンは国内ルールを守るべきだ」としている。
アマゾンに抗議、出荷取りやめへ 中小出版社:朝日新聞デジタル
Amazonの10%ポイント還元は誰でも行われているのではなく、大学生などが対象のAmazon Studentというサービスで行われていますが、還元率が高く気になったので、どういう条件でAmazon Student会員になれるのかを調べてみました。
●Amazon Student登録のための条件
Amazon Studentに登録するための条件は以下の様に書かれています。太字は著者によるもの。
日本国内にある大学、大学院、短期大学、専門学校、高等専門学校に現在通っている学生で、「ac.jp」等の学生用Eメールアドレスをお持ちの方は、会員登録ページからAmazon Student にご登録いただけます。
ご登録には、以下の条件をすべて満たす必要があります。詳細は、Amazon Student 会員規約をご覧ください。
- 日本国内にある大学、大学院、短期大学、専門学校、高等専門学校の学生であること(当サイトの基準によります)
- 学生用Eメールアドレス(「ac.jp」等で終わるEメールアドレス)を持っていること(学生用Eメールアドレスがない場合は、学生証の写しなど学生であることを確認できる書類をカスタマーサービスにお送りいただく必要があります)
- Amazon.co.jp のアカウントを持っていること
- 年会費をお支払いいただくためのクレジットカードもしくはVisaデビットカードを持っていること(親権者の同意があれば親権者のカードでもかまいません)
- Amazon Student 会員限定の特典やキャンペーンなどのお得な情報をメールで送信することに同意いただけること
- 未成年者の場合は、親権者または後見人の同意があること
Amazon.co.jp ヘルプ: Amazon Studentに登録する
小学生・中学生・高校生は対象ではないのですね。
つまりターゲットは大学生協の書店ということが見えます。
また、Adobeの学割は以下の様に教職員が対象ですが、大学生協の書店がターゲットだと考えるため、Amazon Studentでは対象ではないようです。
アドビ製品の教育向け製品ご購入対象ユーザは、以下の教育機関とその教職員、および学生・生徒・児童などそれらの教育を受けるものとされています。
対象教育機関検索ページ
また難易度が高い部分にクレジットカードの登録が必要というところ。大学生でクレジットカードを作るのは敷居が高い部分ではないでしょうか。最近は分かりませんが、私が大学生だった頃はクレジットカードを作るのが難しかった記憶があります。(ただし、今でも使用している某カード会社の審査はゆうちょ銀行の口座の維持が長かったため審査にパスして学生でもクレジットカードが作れました)
親の同意があれば親権者のカードでも構わないとありますが、書籍を購入した履歴が親に伝わるのはちょっとイヤかもしれませんね。(支払いを代引きかコンビニ・ATM・電子マネー払いにすればOKか)
あと罠の部分のひとつに、年会費があるということです。1900円の年会費が必要とのことで、これで元を取るには10%ポイント還元が前提で19,000円以上の書籍を購入しないといけません。
実際のところ、4月30日までの新規登録で最大4000円分ポイントをもらえるそうなので、2年分はタダということになります。
このため、大学1年生でAmazon Studentの会員になって、4年で卒業するのであれば、4年で38,000円以上の書籍をAmazonから購入すれば良いことになります。1年間で約10000円ということになりますが、専門書は1冊数千円することが多いので問題は無いでしょう。
大学院などへ入学し、そのままAmazonの10%ポイント還元を受けようとすると、毎年19000円以上書籍を購入しなければいけません。ここらへんをどう考えるかですね。
画像出典:Amazon Student: 学生のためのプログラム Amazon Student(Amazon)
全ての書籍が10%ポイント還元なので、大学生は検討してみる価値はあるでしょう。
●以前から10%引きのサービスって大学にあるよね
こうやって考えてみると、大学生協が学内にある学生は、大学生協を利用した方がお得で便利な気がしてきます。
- クレジットカードが不要
- 年会費なし
- ポイント還元ではなく10%現金値引き
- 店頭取り寄せなので配達日・配達時間を気にする必要なし
実際には、生協に加入するための費用(出資金:これは大学卒業時に返還されます)が必要なことと、書籍の取り寄せまで時間掛かることが多いこと(※)がデメリットとなりますが、大きなリスクではないように感じます。
なお、私の卒業した新潟大学では以下の出資金が必要です。
出資金
出資金は15,000円(30口)をお願いしています。 生協は一人ひとりの出資と参加で成り立っていますので、みなさんのご出資をお願いしています。
生協の紹介(加入案内)|新潟大学生活協同組合
※大学生当時、大学生協の書店のアルバイトをしていた時の感覚です。
ポイント還元ではなく現金値引きなので、こちらが嬉しい方も多いと思います。生協が学内にある場合は生協の活用をお薦めします。
●まとめ
生協がない大学生はAmazon Studentの検討をしてみるべきだが、クレジットカードの手続きや年会費があるので、あまり書籍を買わない場合は損をすることがあるので、その点は注意したい。
生協がある大学生は生協を活用した方がお得で便利(出資金が返還される前提)。
いずれにしても、お得で便利なサービスをうまく活用して学生時代を過ごして欲しいものですね。
それでは、よい学生ライフを。