印刷会社という事業の定義


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概要 ▶ ドラッカーに学ぶマーケティング入門 印刷会社は「印刷業務を請け負う」と事業を定義づけることは危険だ。そう思わないなら顧客は何のために印刷を依頼するのか聞いてみたらいい。 印刷会社というのは傍目には「印刷業務を請け負っている会社」であるが、実際印刷業界にいると必ずしもそうであるとは言えないことがわかる。JGAS(jgas.info)でもあったが印刷会社と名前が付いていても電飾・装飾がメインで印刷物の
ドラッカーに学ぶマーケティング入門


印刷会社は「印刷業務を請け負う」と事業を定義づけることは危険だ。そう思わないなら顧客は何のために印刷を依頼するのか聞いてみたらいい。

印刷会社というのは傍目には「印刷業務を請け負っている会社」であるが、実際印刷業界にいると必ずしもそうであるとは言えないことがわかる。JGAS(jgas.info)でもあったが印刷会社と名前が付いていても電飾・装飾がメインで印刷物の発注は全て外注で賄っているという所があったり、XMLを使った様々な印刷物を作れるソリューションを提供している所があったり(結局その印刷会社では「印刷」はしない)、印刷を中心としたその周りのニーズに応えていくのはよいことだ。

例えば先の電飾・装飾に注力している印刷会社は、顧客は印刷というものを欲しがっているのではなく目立たせる・目をひくものを欲しがっているという視点から印刷にとらわれない発想になっているのだろう。目立つもの・目をひくものは印刷でも可能だが(巨大サイズのポスターや立て看板系の印刷など)、そうでないものの方がより効果的であるならば顧客はそちらを選択する、そういう確信があるのだろう。

こうした考え方は『ドラッカーに学ぶマーケティング入門』(ダイヤモンド社:片山又一郎著)の中でも触れられている。引用の引用になるが、ドラッカーは『創造する経営者』の中でこのように述べている。(『ドラッカーに学ぶマーケティング入門』P127より)

 企業が売っているものと考えているものを、顧客が買っていることは稀である。
もちろんその第一の原因は、顧客は製品を買っているのではないということにある。顧客は、満足を買っている。しかし、だれも、満足そのものを生産したり供給したりはできない。
満足を得るために手段をつくって、引き渡せるにすぎない。


わかりやすい例として本文中では化粧品のことが述べられている。女性は化粧品という製品をを欲しがっているのではなく、美しくなりたいという要求を満たせるものを購入しているというものだ。つまり「美しくなりたい」という要求を満たせるものであれば化粧品である必要性はなく、エステでも「あるある大辞典」や「おもいっきりテレビ」で取り上げられた内容でも構わないのである。

印刷という行為はいくらメール・WEB・電子ブック・PDFなどが普及したところでなくならないであろう。そういう意味では印刷会社は安泰だ。ただ、顧客が「印刷する」こと自体を目的としていないことを認識せず、他の印刷会社や出力センターとのサービス合戦に明け暮れていたのでは早晩その印刷会社は凋落せざるを得ないだろう。同業の会社が敵であることは否定はしないが、それ以上に他の業種の顧客ニーズを満たす同様なサービスにも注目しなくてはならない。そういう意味で印刷会社は事業を見直す・再確認する時期に来ているのではないだろうか。

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