英語の「en」と日本語の「縁」の共通点


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概要 ▶ 繋がりを持つということは相手の領域に入り込むこと。

今回は英語の「en」と日本語の「縁」が同じような意味合いを持っているというお話。


2015年3月31日の日経産業新聞の広告欄に電子計測機器を扱うアンリツ(Anritsu)の新しいロゴのことが掲載されていました。

Anritus Disicover What's Possible(TM)から、Anritsu envision:ensureに変わったそうです。

20140401-Anritsu(アンリツ)の新ロゴ・enと縁-01

ロゴというか、キャッチコピー的な部分の変更といった方が正しいですかね。


この「envision:ensure」と2箇所に「en」という接頭辞を使った単語を使っている所に目を惹かれました。

enという接頭辞は、高校生の時にとある単語の紹介で「なるほどな」と思ったことがあるためです。


●en

その単語とは「エンカレッジ」という言葉。

「エンカレッジ」と聞いて綴りを書いてもらうと、普通は「encourage」と書くと思います。

encourageは「勇気づける」という意味の単語。

encourageは、en+courageに分けられ、courgaeは「勇気」という意味です。

接頭辞の「en」は研究社の『新英和中辞典』(第6版)によれば以下の様に「●●に入れる」「●●の状態にする」といった意味なので「勇気のある状態にする」=「勇気づける」という意味になります。

en

1 名詞につけて「…の中に入れる」の意の動詞を造る.

2 名詞・形容詞につけて「…にする,…ならしめる」の意の動詞を造る 《★この場合さらに接尾辞 ‐en が加わることがある: embolden,enlighten》.

3 動詞につけて「…の中に,の内に」の意の動詞を造る.

en‐ 英和辞書(新英和中辞典 第6版 (研究社)) - エキサイト 翻訳


ですが高校時代に先に出会った綴りは「encollege」。

大学入試用の進研ゼミ(ベネッセ;当時は福武書店でしたが)のテキスト名の「エンカレッジ」でした。

これは確かテキストに書いてあったのですが「en(入る)+college(大学)=大学合格」という意味でベネッセが作った造語です。それと、先程の「encourage(勇気づける)」とを掛けていると書いてあったと思います。(20年以上前の記憶なので曖昧ですが)

この「エンカレッジ」という言葉はよくできていておもしろいなと当時感心したものです。


それで、この「en」が「入る」という意味・イメージであることが強く記憶に残っていたわけです。



●縁

この「en」ですが、ふと「エン」と音だけ取り出すと、日本語には「縁」という言葉があります。

「縁」というものは「つながり」という意味です。


この「縁」は何もせず深まっていくものではありません。

「縁」は人や物事と関わることで深まっていくのではないでしょうか。

20140401-Anritsu(アンリツ)の新ロゴ・enと縁-02

では、関わるということはどういうことか。

私は、人や物事に「入り込んでいく」ということだと考えます。

自分だけの世界から一歩踏み出して、外の世界の人や物事に入り込んでいく、そうした行動をすることで縁が深まっていくのではないでしょうか(※)。

もちろん、そうした行動によって衝突もあるかもしれませんが、衝突の中からお互いの本当の想いが見えてくる部分もあるでしょう。想いが見えることで繋がるきっかけが生まれるかもしれません。


そう考えると、英語の「en」も日本語の「縁」も「入る」という意味で同じ意味合いを持っていると感じました。

皆さんはどう感じますか?


それでは。



※「何かあったら呼んでください」といった待ちの姿勢ではダメですな…と反省。



●余談:キャッチコピー的部分について

アンリツのウェブサイトではブランドステートメントと書いてありますね。

当社は、この2020 VISION、そしてさらにその先を見据え、“envision:ensure”というブランドステートメントを掲げました。このメッセージの真髄は、「お客さまと夢を共有しビジョンを創り上げるとともに、イノベーションによりお客さまの期待を超える確かなかたちあるものに創り上げる」ということにあります。
社長インタビュー - アンリツ

アンリツというブランドを形成するための宣言ですね。

envision:ensure、私は好きですよ。このブランドステートメント。visionを見せるだけではなく、創り上げて現実のものにする!という意志を感じます。

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