先日会社に研修に来られている方とのお話で以前からの取り組みについてお話をしたので、そのことを。
※以下、ホームページとウェブという単語が混じりますが同じ意味で考えてください。
●15年間ホームページを直し続ける
私は会社でビジネスとしてのウェブに関わって、もう15年になります。
入社時はシステム部配属だったので、サーバーの管理やらコンテンツの管理などから。
現在でも、手を入れてホームページを直し、そして作り続けています。
15年も?
15年もです。それも日常的に、です。
おかしいですかね?
会社はホームページに対して(私の作業を含めて)結構投資をしてきたと思っています。
●新人営業マンに指導しないの?
世の中には、ホームページを日常的に、そして継続的に手を入れるなんて、何かおかしいと考える経営者もいるようです。ホームページを作ったら基本的にそれで終わりで、あとは問い合わせや注文が入ってくると思ってしまうようです。
このことに対して私は疑問に思います。
なぜか。
会社では社内のとある方から「ホームページは24時間働いてくれる営業マン」として活躍できるように言われてきました。そしてホームページを「正しい接客・応対・処理」ができるように育ててきました。
現在でも、修正や追加をし続けることで、育てているつもりです。
もし、皆さんの会社の新人営業マンがお客様に対して無礼な態度で挨拶をしたり、分かりづらい商品の説明をしたらどうしますか?
先輩営業マンは次からそうしたことが起きないように新人営業マンに指導・教育を行うのでは?
そのままにしておくことはないと思います。
私は「ホームページは24時間働いてくれる営業マン」と書きました。
つまり、ホームページも営業マンと同じように何かお客様に問題のある応対をしたら指導・教育を行っていく必要があると思っています。
●問題ある応対は自分たちでまず見つける
新人営業マンであれば先輩営業マンが訪問先に同行したり、テレアポの電話の様子を確認すれば問題ある応対は分かりますが、ホームページで問題ある応対をお客様にしているかはどうやって調べれば良いのでしょうか?
やってみて欲しいのは、実際に同じ会社のメンバーがホームページを使ってみること。そして使いづらい点やホームページの説明で分かりづらい点を指摘してもらうことです。
ソフトウェア開発の言葉で「ドッグフーディング(dogfooding)」「ドッグフード」というものがありますが、まさにそれ。
ソフトウェア開発における概念でドッグフードというものがあります。残念ながら Wikipedia には英語の記事しかありませんが、これを簡単に説明すると自分たちが作ったものを世に出す前に自分たちで使ってみる (食ってみる) という概念です。ここで重要なのは、自分たちというのは開発者たちだけではなく、なるべく社内で広く使ってもらうという事です。
Stargazer : Hacking the Stars: ソフトウェア開発、ウェブサービス開発、そしてドッグフード
現在では第三者に見てもらう手法もかなり多くなってきましたが、自社のことであれば多少なりとも本気度が上がるのではないでしょうか。
自分たちが分かりづらいものを世の中に提示しても、なかなか理解されるものではありません。
●現場にある問題の応対を拾い上げる
また、公開後も、ホームページの内容についてメールや電話で問い合わせがあった場合は、フィードバックしてもらうようにしましょう。
お客様はなぜ問い合わせをしたのか?を考えれば、分からない点があったり不安な点があったりするからです。これは問題のある応対をホームページがしていることに他なりません。(営業マンで言えば、新人営業マンが説明していたけど、お客様が理解できず、「もういい、もっと詳しい者に変わってくれ」といわれているようなものです)
先程の「社内のとある方」からはホームページについて「問い合わせでメールや電話があるのは不完全な証拠」「問い合わせの電話もメールもなく、寝てても受注されるのが一番良い状態」(意訳)と以前から言われています。
この段階にないものは、ホームページのどこかしらに応対の問題があると言うことです。お客様が分かりづらかったとされる点・不安になる点を改善していきましょう。
私の話でいうと、ウェブ担当者として「営業部」(窓口)に所属しているので、目の前で電話対応で時間が掛かっていたり、問い合わせの内容は耳に入ってきます。私が電話に出ることも多いですし。そうした現状を見ていると、直さなければいけない箇所が色々あるなと毎日感じています。
●ホームページは人間ではありません
新人営業マンは、日常生活の中で最近のトレンドを知ったり、営業活動に役立つヒントを勉強したり、感じ取ったりするかもしれませんが、ホームページは一切そんなことはありません。
また営業マンだったら、お客様の表情を見て「この言い方はまずかったな…次は気をつけるか…」と感じることもありますが、ホームページはそんなことはありません。
ホームページは勝手に成長するものではありません。
誰かが手を入れて、改善しない限り、変わりません。
問題ある応対は、誰かが直してあげないとダメなのです。
ホームページという営業マンを教育・投資しないと、応対品質は何も変わらないのです。
こうしている間にも、あなたのホームページはお客様と接しています。
ホームページの継続した改善に投資しない理由はありません。
ホームページのあり方を一度考えてみませんか?
それでは。よいホームページを。