Facebookのニュースフィードで、商売・ビジネスの参考になるブログ記事が流れてきた。
それは大阪南船場のC'ERA UNA VOLTA(チェラウナボルタ)というセレクトショップ(いわゆるファッション店)のオーナーが書いた「2年通い続けてくれた決して買わないお客さん」という記事。
タイトルだけで、おっ?となりますね。買わないお客さんの意図や正体は何なのだろうかと。
登場する「2年通い続けてくれた決して買わないお客さん」はこんな感じ。
週末になると入店して
店内を巡り
商品を手に取り
1人で「なるほどな」と満足されて
最後は「ありがとう」と言って帰って行かれる
2年通い続けてくれた決して買わないお客さん|C'ERA UNA VOLTA 加藤いさお
これを2年続けられている。ある意味すごい。
冷やかしか!と思うわけですよ。
ブログの中で、オーナーはこう書いています。
その男性とはほぼ
服の事についての会話はしなかった
ただ 日常会話はずっとしていた
「どうせ買わんやろ」
これアマチュアが陥りやすい魔のループ笑買ってくれなくても
こんな入りにくい店に来てくれる理由はなんなのさ?と
2年通い続けてくれた決して買わないお客さん|C'ERA UNA VOLTA 加藤いさお
考えるのさ
2年もこのお店に通ってくれるというのは、もはや冷やかしでも何でもなく、何かしらの想いがあって来店しているということなのですよね。
帳簿上は売り上げ0だから、お客様といっていいのか分かりませんが、このお客様は時間を掛けてお店に来て、見て(そして帰って(笑))行くのです。
ここで接客の際に「買わないのにまた来たんか、あの客…」と思うか、「買わないのにまた来るのはなんで?」は大きく違います。
理由がなければワザワザ来店しません。そうですよね?
冒頭に書いた「買わないお客さんの意図や正体は何なのだろうか」を探ることが商売・ビジネスでは大事なのです。
今回のセレクトショップのオーナーは日常会話の中から「その人の人物像・ライフスタイル・バックグラウンド」を読み解いていこうとしたのでしょう。
その場で売り上げとして計上できるお客様ももちろん大事ですが、お店にいるまだ購入されていないお客様をどれだけ理解できるかがビジネスでは重要ではないでしょうか。
●他にも
他にも良いことを色々書かれています。
- 服は「これ着てドコ行こ?」と想像できるアイテム
- お客様のライフスタイルの中に提案することで、想像力を刺激できる
- 流れ作業的な信頼関係ゼロの接客はネット・価格に負ける
- 「どうせ買わんやろ」は言わんでも伝わる
ぜひ全文読んでみて下さい。
「2年通い続けてくれた決して買わないお客さん」が何を思っていたのかも書かれています。
商売だけでなく、コミュニケーションでも、きっと気づきがあるハズです。
それでは。
●今回紹介したブログ記事
- 2年通い続けてくれた決して買わないお客さん(C'ERA UNA VOLTA 加藤いさお)
●追記
言及したことをオーナーが見てくれて、ブログ記事で紹介してくれてました。ありがとうございます!
その記事の最後にお客様への意識が書いてあったので引用します。
現場人の差はどこで生じるのか?
ナチュラルが一番ですぜ!(Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG)
簡単な事だと思うのです
2回目のご来店で
「お客様」ではなく
その方の名前を呼べるか
それが一番「ナチュラル」だと思います。
一見さんだからみたいな意識は最初から持ってはいけないということですね。
名前で呼べるかということは、そこまで踏み込んで接して話すということ。お客様の中のひとりではなく、ひとりひとりのお客様として接することが商売の大事ですね。