報告書に具体的なことを書けない人は「重点的に」取り組んだことだけでも書け。それはアナタだけのためではない。


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概要 ▶ 全部書くのが面倒だから「重点的に」とする方法もあるが、ひとつのポイントを書くことで話を広げやすくなるはず。


20141126-重点的に取り組んだことを報告書に書け-01

とあるところで会議に向けての報告書を作っている様子を見た。会議は外部の有識者を招いて現在までの活動の確認と今後の活動の方向性を打ち合わせるもの。

その報告書に記載されている活動に、私は関わっていないのだが、悪い意味で非常に隙がない書き方だったので、こうしたら良いのではというアイデアを書いておく。


●それはある意味悪くない報告書

その報告書がどういうものだったかと言えば、端的に書くと以下の様なもの。

  • 活動の対象者を適切に選定した
  • メンバーで活動の方向性を確認した
  • メンバーの協力体制を確認できた
  • 適切に活動した
  • 定例の報告会を開催した
  • 活動は記録に残した
  • 次回は▲▲したい


活動の報告書としては別段間違っていないのだが、読んでいておもしろくも何ともない上に、知見を得られるものが何も無かった。

適切に活動といっても何をどう適切に行ったのかわからないし、マニュアル通りだとしても、対象者に対して単純にマニュアル通りに当てはめて対応したら良好な結果だったのか、考えがあってマニュアル通りに対応したのか分からない。

メンバーとの活動の方向性というのも、外部の人間には全く内容が分からず情報の価値は0。

とにかく具体的に何をしたのか、よく分からない報告書で「問題なくやりましたよ」「手順通りなので(私には)責任はありません」という主張をするには十分な書類なのだろうが、今後この報告書を参考にしても全く意味がないし、それならば書くための時間そのものが無駄でしかない。(コピペできるくらいの価値しかない)


書いている人に聞き取りを行うと、具体的に事細かに列挙するとスペースがなくなるし、時間も掛かるから、細かなことは書かないとのことらしい。



●会議は誰のもの?

しかし、会議は自分だけの時間を費やすのではない。

相手の時間も費やしてもらって行うもの。

自分のためだけの報告書を読み上げて、何を質問したら良いのか分からない報告書を提出されて、相手の時間を奪うのであれば、それこそ失礼な話ではないだろうか(ひとりで会議風なことをやっていれば良い)。

何かしらのアドバイス・示唆を得たり、次回に繋がる報告書を作らなければ、全く意味がないだろう。



●書くのが面倒だったら「重点的に」行ったことだけでも書け

今回その人は会議の直前まで報告書を作成していたので、アドバイスはできなかったが、もし事細かなことがありすぎて書き切れないのであれば、私は「重点的に」という言葉をうまく使うことをオススメしたい。

「○○を行った」と活動を報告するにしても、様々な工程がある活動を満遍なく均一に活動を行うということは考えにくい。どこかの工程に気をつけて取り組んだり(例えば最後の仕上げの工程をより慎重に行うなど)、(前回があったら)前回と違って▲▲の工程がスムーズにできるように取り組んだといった「重点的に」取り組んだポイントというものはあるハズだ。

その点を「○○を行った」に加えて書くことで、報告書を読む側も、重点的に取り組む事で何が変わったのか、何に気がついたのかといった発問ができ、アドバイスを与えたり、知見を得られたりする。また、後で自分が報告書を読む時も、前はこの点を重点的に行ったから次はこうしようといったことが思い出せるはずだ(報告書内の次回の課題も書きやすいはず)。

特に報告書を読む側は本人ではないのだから、具体的なことを書かないと想像を働かせるのは無理。実は何もしていないのでは?という疑念が発生しても仕方がない。最低限ひとつは「重点的に」行ったことを書いておきたい。


また、こういった報告書は最初のひとつがなかなか書きづらいもの。「重点的に」行ったことを「とりあえず」書いてみることで報告できる内容が実は結構あって、続きを書くのが楽になるかもしれない。



報告書の空白を埋めるのが億劫な人は是非試してみて欲しい。

それでは、よい会議を。



●余談:会議を乗り切るために

「重点的に」取り組んだことを書くことで、会議では重点的に行ったことへの質問や追求があるだろう。

しかし、具体的なことを何も書かない場合は、相手からどんな質問が来るか全く予測ができないの(コントロールできない)だから、それに比べれば対策を考えるのは簡単なはずだ。

相手の注意を特定の方向に向かせておく手法は手品と同じだが、処世術のひとつとして覚えておいても悪くないのでは(笑)。

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