NeedsからDiscoveryへ。Pinterestと楽天の提携でショッピングが変わる。


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概要 ▶ 欲しいモノが先に決まっている検索型の買い物では新しいモノを発見できない。その点を楽天はPinterestでカバーするのでは。

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つい最近、5月22日に電通とPinterestが業務提携したというニュースがありました。

いまいち流行っているのか流行っていないのか良く分からないPinterestを広告主や媒体へ活用方法を提案していくそうです。

 電通は、ピンタレストの事業拡大に向けた日本市場の分析や、戦略のコンサルティング、国内でのPinterestの活性化に向けた啓発活動やPR活動の支援、広告主や媒体社に対するPinterestを活用したマーケティング活動の提案、Pinterestユーザーに対する「新たなコミュニケーションの創造と価値の提供」を行うという。
電通とPinterest日本法人が提携 Pinterest国内展開を加速へ - ITmedia ニュース


Pinterestとの業務提携というと、2年前の2012年5月17日に楽天がPinterestへ出資するという報道があって、ある種の驚きを生みました。

 楽天は、Pinterestが実施する第三者割合増資を引き受ける形で、同社に出資する。増資には楽天のほか、FirstMark、Bessemer、Andreesen Horowitzなどの投資ファンドも参画しており、Pinterestの調達金額は合計1億ドル。各社の出資割合については発表していないが、今回の出資は楽天がリードインベスターとなって行われたという。

 楽天では出資によりPinterestとの戦略的提携を深め、日本やアジアにおけるPinterestの展開や、楽天の各種サービスとの連携、ID連携など、各種事業の協業を検討していくとしている。

楽天、米Pinterestに出資 -INTERNET Watch


楽天でのPinterestガイドは結構前からありましたが、他の動きとして楽天ID連携などは今年の1月にようやくできる様になったそうです。


Pinterestのトップページで真っ赤なボタンで楽天をアピールしていますね。

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画像出典:Pinterest


なぜ楽天はPinterestと業務提携をしたのでしょうか?


●Pinterestから父の日のギフトのメールが届いた

6月9日にPinterestから「Gift ideas for Father’s Day」と題した「父の日」に関するメールが届いていました。

プレゼントを贈る時は誰でも悩むもの。その際のインスピレーションのヒントになるメールですね。

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メールで紹介されているPinboardには父向けの商品が表示されています。

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試しに開いて見ると、Pinterestのトップページに並んでいる女性向けのファッションの画像ではない、明らかに男性向けの商品が並んでいます。

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画像出典:Gift Ideas for Men(Pinterest)


●商品が先にあるのではなく、何かを発見したい

これは「○○を欲しがっているから○○を贈ろう」というNeeds(ニーズ)からの提案ではなく、「何か気の利いたイイモノを見つけて贈りたい」というDiscovery(発見)のショッピングの提案です。「○○を欲しがっているから」という枠で考えると、現実的に無難な選択肢となりますが、「何か気の利いたイイモノ」であれば選択肢の幅は大きく広がります。

それもPinterestは画像を共有するサービスなので、様々な商品を効率よく一気に見ることができます。


今さらながら、楽天がPinterestに出資して業務提携を行ったのか分かった気がします。

お目当てのモノがあって検索して購入するユーザー層ではなく、何となく見るウインドウショッピング的なユーザー層を捕まえたいという意図があるのだと感じました。


●極度に最適化された情報は制限を感じてしまう

Amazonの様に購入者や閲覧者の情報を集約・分析して最適な商品をお薦めする(リコメンド)ショッピングは、いかにもITという感じで、最適化が心地よく感じる反面、ある種の見えない枠にモヤモヤとした制限を感じてしまう人もいるかもしれません(=全てが想定通りのお薦めでしかない)。

楽天も購入者や閲覧者の情報を持っているので、この点の機能改善は進めていくのでしょうが、やはりお薦めが想定の範囲内になる可能性が高く、特定の商品に販売が偏ってしまう事態になってしまうでしょう。

こうした問題を打破できるかもしれないのがPinterestの様なソーシャルメディアとの連携なのかもしれません。


先日、えふしんさんがFacebookのタイムライン表示に関しての不信感として書かれていました。

Facebookのプラットフォームに制御されている感が非常に強いというのは、Amazonのお薦め情報のモヤモヤ感と同種の不快感なのではと感じました。見るものを先に決められてしまう制御感は、気がつくと不信・不快になりかねません。

Twitterの「自分が見ないから仕方ない。もしかしたら24時間たどれば見えるかもしれない」という状態と、Facebookの「タイムラインを見ているだけでは、永遠にその「友達」の書き込みにはたどり着くことはない」という概念は全然違う。

前者は、ユーザー側の責任に丸投げされているが、今のFacebookのそれは、すごく操作されている感がある。冒頭のロボットで言うなら、ロボットの都合で、人間が制御されている感じが見えてしまって非常に不快に思っている。

Facebookのタイムライン制御に対する不信感(えふしん) - 個人 - Yahoo!ニュース



●まとめ

思いもよらない商品と出会えるのがウインドウショッピングの醍醐味。

楽天はPinterestとの提携で、心に決めた商品が先にあるショッピングではなく、商品イメージを中心にして新しいものを見つけてもらうウインドウショッピング的なサービス展開を狙っているのだと理解しました。



●余談

検索したら熊坂仁美さんがPinterestと楽天の提携について2年前に書かれていました。

日経ビジネスに掲載された三木谷会長兼社長の記事から考察されています。

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