社長と現場の思いはストーリーで繋がなければいけない


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概要 ▶ 社長と現場とで同じ「会社のために」やっている行動や発言が、大きくずれてしまうのはなぜなのでしょうか。経営者や上司の発言が単なる思いつきに聞こえるのはなぜ? その問題をちょっと考えてみました。

アルファサード代表の野田さんのエントリー「社長ともっと話そう。」より。

組織がそこそこの規模になって、勤続年数もそこそこ経過すると「ウチの会社って、○○なんだよなぁ」みたいな発言が出てくるわけです。良い点なら別ですけど、大抵あんまり良い話しじゃなかったり。

私のサラリーマン時代(前職時代)は、かなり真面目に働いてましたけど(自分で言うかこら)一つだけ会社の方針ってやつとうまく付き合えなかったことがある。会社が「あなたに、こういうミッションをやって欲しい」として与えられたことと、「今会社のためには、このミッションよりこっちやろ」みたいなことで、そっちに走っちゃったことがあって。言い訳すると直属の上司にはちゃんと報告入れてたじゃん! ってことになるんだけど、結局のところ「あいつは方針に背いて勝ってなことやってる」みたいなことになりまして。

つまり、会社の方針ってやつと自分の行動が合致していなかった。
社長ともっと話そう。 - Junnama Online

これはわかる。

●大きな目標と目の前の目標とのズレ

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「○○という方向でお客様にサービスを提供していく」という理念のようにも聞こえる大きな目標と「今月の売り上げは△△だ。売り上げをきちんと上げないのはダメだ。」という目の前の目標が同時に存在しているパターンが多いのではないでしょうか。

私は営業部で毎朝売り上げの報告があります。報告を聞いていて、月次の売り上げ目標を達成していないと「○○をお客様に売り込んでこいといっても、そう簡単に理解されないし、説明した瞬間に『待ってました』と仕事をくれるわけないだろ…。手っ取り早い小さな仕事を取りにいった方が結果的に売り上げ金額上がるんだからいいだろ…」と思ってしまいます。

特定分野に特化したサービスを提供するより、ワンストップでどんな印刷物・サービスでも提供できる方がお客様は「楽に注文してくれる」はずだ、そして目標も達成できるはずだ、と考えてしまうわけです。


実際、そういう営業をされている会社も多いですし、それは否定しないのですが、協力会社を活用してワンストップであらゆるサービスを提供しようとすると、外注なのでどうしても利幅が少なくなりますし、サービスの改善をしようとしても自社ではないので改善がなかなか難しいので、お客様からの価格交渉・改善要望には応じづらくなります。お客様との関係性を改善できない結果として、失注する可能性があります。


経営者はそうした先のことを見て、自分たちが得意とする分野のサービス提供や内製化率の向上を考えるのでしょう。(特に地方の大きくない会社はそう思うのかもしれません)



●責任者は責任を持て

経営者は先のことを考えて営業方針や提供するサービスを大きく変化させることがあります。とはいっても、営業方針や提供するサービスを大きく変化させておいて、翌月から売り上げが倍になるということはないですし、今まで提供してきたサービスを捨てることになるので売り上げが下がる可能性も非常に高いわけです。

そうした状況で経営者や上司から「方針は変わったが直近の売り上げは確保しろ。売り上げなければ査定でどうなるかはわかっているな。」と言われても「本当にその方針で売り上げが上がるか分からないのに、責任だけ問われても。」と現場が思うのは仕方がありません。他人行儀で責任のなすり付けでしかなく「一緒に組織を運営している感」が全くないからです。

現場が思い切り動くには責任者(経営者)がキチンと責任を果たす宣言をすべきです。



●ストーリーが分からなければ思いつきにしか聞こえない

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経営者と現場の思いの乖離(かいり)も、大きな目標と目の前の目標がリンクしていないことから発生しています。

経営者も現場も会社のために行動しているのですが、ズレや軋轢(あつれき)を生んでしまうのは、経営者と現場がお互いキチンと話すことをしないで、立場が違うという考えで一方的に話したり、経緯を伝えずに決定事項だけを伝えて「伝えました」というアピールをしたりするからなのではないでしょうか。

大きな目標と目の前の目標は本当は繋がっているのに、経営者側はキチンと繋がる様に話ができなければ、現場側からすれば単なる思いつきにしか聞こえません。思いつきに聞こえると「振り回されている感」が強くなってしまい、やらされていると感じやすくなります。ひとつのストーリーとして話して通じるように語らなければいけないでしょう。


現場側も「なぜ経営者は突拍子もないことを言うのか? ワケがわからないから放っておこう…」とするのではなく、理解できるよう経営者本人にワケのわからない事について聞くべき。ワケのわからない事を言う経営者の元で働くのはストレスが溜まるだけ。経営者も人間で、同じ組織の人間でしかありません。同じ目標に向かうのに、想いや考えを共有することを経営者は決してイヤではないと思うはず。

分からなければ聞いてみる。(大きな組織では難しいかもしれませんが)そんなシンプルな行動で、仕事のストレスが軽減されるのではないでしょうか(なくなるとは言わない(笑))。


現場の方は「社長ともっと話そう」としてみて下さい。きっと何か「わかる」ハズです。


それでは、よい関係作りを。


※本文中では経営者と書きましたが上司としても当てはまるパターンは多いですね。

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