Re: ホームページは泥縄式でいい?/印刷系デザイナーにありがちなWeb制作


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概要 ▶ いつもナイスなブログ記事を書いている奥 敦雄さんですが、記事の中で「ああ、本当にそうだわぁ」と思ったものがあったので言及してみます。そのブログ記事は以下のもの。ほとんどの会社で(僕の感覚だと7割くらい)、ホームページを立ち上げるまでに力を入れ過ぎてしまい、立ち上げてからの管理がおろそかになってしまっています。自分達でGoogleAnalyticsを解析しているというケースは少なく、その存在すら忘れ
いつもナイスなブログ記事を書いている奥 敦雄さんですが、記事の中で「ああ、本当にそうだわぁ」と思ったものがあったので言及してみます。

そのブログ記事は以下のもの。

ほとんどの会社で(僕の感覚だと7割くらい)、ホームページを立ち上げるまでに力を入れ過ぎてしまい、立ち上げてからの管理がおろそかになってしまっています。自分達でGoogleAnalyticsを解析しているというケースは少なく、その存在すら忘れられていることもあります。
ホームページは泥縄式でいい? - 印刷業界コンサルタント 奥 敦雄(おく あつお)のブログ

人にページを見せるにあたって完璧な方が良いに違いは無いが…

「ホームページを立ち上げるまでに力を入れ過ぎる」というところに非常に共感しました。

これは今まで印刷物のデザインや編集をしているデザイナーがウェブを制作する時にそういう考えに陥る気がします。

印刷物は一旦印刷してしまうとなかなか修正することは難しいので、ウェブも完璧に作り込まないとダメ…という意識が印刷系のデザイナーは働いてしまうのではないでしょうか。

いくらウェブでは後で修正できると頭では理解していても、です。
そもそも作成後の修正・アフターフォローという流れが印刷物ではあり得ないので、想像しづらいのかもしれません。


私はデザイン系でも編集系でもないので、とりあえず最低限の情報と体裁があれば、まずは公開しても良いのではないかと思っています。


そんなことで良いのか?と思われる方もいると思います。
しかし、実際にはそれでもよい場合も多いと私は思っています。


事例

例を挙げます。

自分の勤める会社のネット印刷のサービスに最近追加した「木材印刷」ですが、これは現在たったの1ページしかありません。
それも情報量もそんなに多くないです。

20120323-ウェブ制作-01

ただ、これでも実は引き合い…というかお問い合わせはあります。


たった1ページあるだけです。


1日に何十件もお問い合わせがあるわけではないですが、ちょこちょこメールや電話でお問い合わせを頂いています。


ご連絡を頂いたお客様にお話を聞いてみると「え? そんな風に使うの?」といったことや「ホームページだと○○がわからなくて聞いてみたんだけど…」といったフィードバックや疑問点を得ることができます。

そうすると「こういうお客様がいるのか」「ここはこうした方がわかりやすいな」「事例の見直しも考えよう」といった問題がわかり、そしてその問題を改善していくことで、より良いページに育っていきます。


このページを立ち上げる前に調査はある程度していますが、どんな物に対して印刷の依頼があるのか、お客様がどこにいるのか、どういうアプローチが適切なのかといったことに対してはっきりとした回答は持ち合わせていませんでした。

色々な問題などはオープン前に予め想定して掲載しておくべきだ、と思う方もいるかと思いますが、なかなか想像できない方向からお客様は攻めてくるものです。想像できない問いに対して柔軟に対応できるスキルを持つことの方が大切だと思います。


いずれにしても、色々考えすぎて公開準備のために素材ばかり作っていても、ウェブというものは公開しないと誰にも知ってもらえません。公開してアクセスできる状態にしなければ、世の中に存在しないものと同じです。

それも公開し始めたからといってすぐにGoogleなどの検索エンジンに表示されるわけではありません。時間が掛かる場合も多いですし、そもそもサービスに関連するキーワードが激戦区だったら検索エンジンには登録されているけど、検索結果の順位がかなり低くて全然集客できないかもしれません。これは検索エンジンに登録されてある程度時間が経たないとわからないため、早めに公開して、ウェブページの存在を検索エンジンに知らせる必要があります。


大切なことは終わりのない循環プロセス、そして顧客からスタートすること

重要なことは世の中に公開して、何かフィードバックがお客様からあったら、それをウェブページの改善プロセスにきちんと取り込むことです。



ドラッカーは『マネジメント』にて次のように述べています。

マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
『マネジメント 基本と原則 【エッセンシャル版】』P17(P.F.ドラッカー著)


顧客の声に耳を傾け、製品とサービスを合わせていくことが大切なのです。(ただし勘違いしてはいけないのは顧客の声を「そのまま」製品とサービスに反映させれば満足した製品とサービスになるわけではない点です)

その点さえ忘れなければ、公開当初は訴求力が無いページであっても、次第に訴求力が高まっていくことになるでしょう。訴求力が高まれば、引き合いや問い合わせもより受注の確度が高いものになっていくに違いありません。


お客様が求める情報が完璧に掲載されているページなど存在しないのです。
そういった不完全を前提として、毎日少しずつでもお客様に寄り添う活動を行うこと、それが大切だと感じています。

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