2007年2月26日に新潟市の印刷会館というところでTrueFlowなセミナーを受けてきました。
お目当ては『PDF/X-4とAdobe PDF Print Engineの全て』というセミナー。
そのセミナーの資料にあったPDF/X-4になると文字の品質が向上する!という発想はなかなかおもしろいなぁと思いましたよ。確かにPDF/X-4は透明効果を使用したことによる文字のアウトライン化やオブジェクトの分割などをしなくても良いわけですからね。
セミナーではアウトライン化をしないことによる低解像度出力装置…例えばプリンターとか…での文字品質の向上が図られますといったことを強調されていました。いわゆるヒント情報がそのまま保持されるので細かなところもきれいに出力されるということですね。
ですが、実際の所、TrueFlow3ではOutlinePDFを作っているので、それは自社の製品に対する否定行為なのではないかなぁと思ってしまいました(汗)。とはいえ、実際に刷版を出力するときは2400dpiとかの高解像度なのでほとんど気にはならないと思いますが。
低解像度のデバイスも演算方法というかレンダリングを2400dpiなどの高解像度で行い、その後出力デバイス向けに600dpiなり1200dpiなりにアンチエイリアスをかけながらリサンプリングすればアウトラインだから太いとか、やたら細い線が太めに出力されるとかいうことはかなり減るような気がしました。MacOSXの画面を見ながら当然そう思いました。
またPDF/X-4はSCREENが待ちに待った規格じゃないかなぁと思っています。なんせPDF/X-1aのワークフローではColorGeniusなどのRGBのカラーを操るソフトウェアが非常に組み込みづらいと思うのですよね。
InDesign用プラグインのYukimuraとかありますが(※1)、リンクされているファイルがEPSだったりすると、既に透明部分が分割統合されているわけですので、変に画像化されていたりCMYKに落とし込まれていたりするわけで、そこまでColorGeniusは面倒を見切れません。ネイティブ配置が普及してきて、出力はPDF/X-4(RGB)とかになってくれば、PDF/X-4(RGB)で流れてきたデータを写真画像の部分だけColorGeniusの機能を利用してよく見えるCMYKの値に落とし込むということも今後はできるようになるかもしれませんね。(※2)
※編集注1
YukimuraはColorGenius IDに名称変更になりました。
- Colorgenius ID:大日本スクリーン メディアテクノロジー
- http://www.screen.co.jp/ga_dtp/product/ColorGeniusID/ColorGeniusID.html
※編集注2
既にそのようなものが存在する。
- Polished Color Server:大日本スクリーン メディアテクノロジー
- http://www.screen.co.jp/ga_dtp/product/PolishedColorServer/PolishedColorServer.html
またIllustratorCSやInDesignCSなどからのPDFのダイレクト出力(Acrobat Distillerを使用せずに直接PDFを作成すること)をお薦めしていましたが、IllustratorCSはPhotoshop EPS画像がリンクされていると、ちょっとよろしくない現象もあるのでどうかなぁと。InDesignCSでもそうですが、そこらへんはきちんとネイティブデータの配置を徹底しないとダメですかねぇ。
で、実際PDF/X-4ってどうやって作るの?ってことなのですが、PDFをAcrobat8のフィックスアップでPDF/X-4にするという感じ。なんじゃそりゃ。orz
まぁ何にせよPDF/X-4では透明が透明の状態で入っているので特色の透明効果も変にプロセスカラーに変換されずに保存されますので、パッケージ業界や雑誌デザインの現場からは喜ばれるかもしれませんね。(って前にも書いたか)
PDF/X-4はまだまだ先の規格と思えますが、透明効果が保存できるというのは安定した出力には必要な項目とも言えます。今後のPDF/X-4の策定に注目です。
そんなPDF/X-4に対応できる(はず)のTrueFlow4についてはまた今度。
#個人的にはPDF/X-4でCMYK限定の規格PDF/X-4aみたいなものを作って欲しいな。