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みなさんは普段どんな検索エンジンを使っていますか?
私がデスクトップPCを使った場合の検索は80%くらいはGoogle 検索です。スマートフォンを使った検索だと90%以上がGoogle 検索ですね。
私のデスクトップPCを使った場合の検索の残りの20%は何かというと、主にBing検索です。
そういえばBing検索なんかあったね…という方も多いと思いますが、最近の検索シェアはどうなっているのかを調べてみました。
StatCounterで調べてみた
今回はStatCounterで調べます。
日本のデスクトップの場合で、2019年1月から2024年1月までの検索エンジンのシェアを調べてみましょう。
すると以下の結果となりました(画像をクリックすると拡大します)。
出典:Desktop Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
Googleが2019年から圧倒的なシェアを持っていることには変わりがありませんが、ほかの検索エンジンは動きがありますね。
Yahoo!は2019年1月に15.9%あったシェアは下降傾向が続き、2024年1月には8.0%まで低下しています。
Bingは2019年1月に4.0%のシェアでしたが上昇傾向が続き、2024年1月には15.8%まで上昇しています。
ちょうどYahoo!とBingのシェア分が入れ替わっていますね。
Bing AI(Bing Chat)リリースの流れ
Bingが2023年6月から8月に大きく増加しているのは、Bing AI(Bing Chat)が広く話題になった時期でしょうか。
Bing AIは当初(2023年2月7日)はEdgeブラウザーユーザーのみ使える仕様でした。それも一部ユーザーから広げていったので急速な広がりにはなりませんでした。
Microsoftは7日(米国時間)、OpenAIの大規模言語モデルを搭載した新たな検索エンジン「Bing」とWebブラウザー「Edge」を発表した。
(中略)
新しいBingは、7日からデスクトップ版で限定プレビューとして利用可能。Bing.comにアクセスし、サンプルクエリーを試したり、ウェイティングリストに登録できる。プレビューは、今後数週間のうちに数百万人に拡大し、モバイル版も近日中に公開する予定。
Microsoft、AIによる新たな検索「Bing」発表 「ChatGPTより有能」 - Impress Watch
ただ、Twitter(当時)のトレンドに「Bing」が上がるくらいの話題にはなっていたようですね。
Twitterのトレンドに上がるくらいこんなにBingが注目されるのは初めてなのでは……
— 笹川純一(DTPオペ➡️ウェブ制作・EC運営担当) (@jdash2000) February 12, 2023
私はすでEdgeをメインブラウザーにしているユーザーだったからか、2月14日にはBing Chatを使っていたようです。
「薄紙への印刷の注意点やコツはありますか?」
— 笹川純一(DTPオペ➡️ウェブ制作・EC運営担当) (@jdash2000) February 14, 2023
新たな知見を得るべく、BingのAIチャットさんに聞いてみた。
回答の元が自社ァァァ🔥
そりゃネットから探してくればそうなるわな pic.twitter.com/XVesplTFKJ
2023年5月4日に限定プレビューからオープンプレビューへ移行したニュースが掲載されました。
米マイクロソフトは4日、対話型の人工知能(AI)を搭載した検索エンジン「Bing(ビング)」の一般公開を始めたと発表した。
Microsoft、対話AI型検索「Bing」を公開 ChatGPTより最新情報 - 日本経済新聞
マイクロソフト(Microsoft)は、検索エンジン「Bing」およびブラウザ「Edge」の新バージョンについて、限定プレビューからオープンプレビューへ移行した。Microsoftアカウントで「Bing」にサインインするだけで、新しい「Bing」「Edge」を試すことができる。
マイクロソフト、AI活用の「Bing」「Edge」を一般向けに開放 - ケータイ Watch
2023年1月から2024年1月までのグラフを見ると、2023年6月からぐっとシェアが上がってきたことがわかります。
ChatGPTが2023年に話題になりましたが、(Microsoftアカウントさえあれば)無料で使える対話型AI、それも検索エンジンの機能を使っているの最新の情報にアクセスして回答してくれるのですから使わない理由はありませんよね。
2023年8月25日にEdge以外のChromeブラウザーにもBing Chatを開放していくなど、広がりを見せていきました。ブラウザー普及のためにBing Chatが使われた感はありますね。
「Bing Chat」と「Bing Chat Enterprise」でデスクトップ版「Google Chrome」がサポートされた。
「Bing」チャットがデスクトップ版「Google Chrome」に対応 ~モバイルも間もなく - 窓の杜
Bingのシェアが落ちてきている?
2023年9月以降はBingのシェアが落ちてきています。
熱狂的なAIチャットブームが終わってしまったのでしょうか。
実際、熱狂的なAIチャットは流行として扱われて、一定期間で飽きてしまったという方も多いと思います。
また、数は軽微だと思いますが、EgdeブラウザーにもBing Chatがサイドバーに内蔵され、非常に使いやすくなりましたが、こちらでのやり取りはBingのシェア(利用)にはカウントされていないと考えられます。
米Microsoftは3月13日(現地時間)、デスクトップ向け「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v111.0.1661.41を公開した。
(中略)
「Edge 111」の目玉は、新しくなった「サイド バー」だ。画面右上には「Bing」の新しいAIチャットをあしらった「b」のアイコンが追加され、ここをクリックして右辺の「サイド バー」を開閉できる。
(中略)
「b」アイコンをクリックしたときの「サイド バー」は、[検出]タブがセットされている。ここでは閲覧ページに関して「Bing」が把握している、より詳細な情報が提供されるほか、「Bing」の新しいAIチャット機能に招待されていれば、AIとチャットをしたり、テキストの執筆を依頼することもできる。
BingのAIチャットも ~サイドバーが新しくなった「Microsoft Edge 111」が正式版に - 窓の杜
Bing ChatからCopilotへ
Microsoftも2024年11月15日にBing ChatをMicrosoft Copilotとリブランディングして、Bingとは少しだけ距離を置くように変化してきています。
現在でもBingのページ(https://www.bing.com/)にアクセスして「Copilot」をクリックしてCopilot(Bing Chat)のページに行くこともできますが、新しくCopilotだけのページ(https://copilot.microsoft.com/)もできたので、AIチャットの機能だけが必要ならこちらのページを使った方がわかりやすいです。
米マイクロソフト(Microsoft)は、米国時間の11月15日に「Bing Chat」および法人向けの「Bing Chat Enterprise」を「Copilot」にリブランドした。
リブランドにあわせて、CopilotのWebサイトにアクセスしてMicrosoftアカウントにサインインすると「Copilot」が利用可能となる。チャットの組み合わせを希望する場合は、引き続きBing.comで利用できる。
マイクロソフトが「Bing Chat」を「Copilot」にブランド変更、Webブラウザからも利用可能に - ケータイ Watch
Bingはシェアの挽回ができるのか
MicrosoftはBingを諦めているのではなく、当然伸ばしていきたいと思っているはずですが、モバイルでの検索はシェア的にはほぼGoogleしかない状態です。
SimilarWebでbing.comとgoogle.comへの訪問者数の違いを見てみると、1.3B対84.2Bと80倍近くの差があります。
google.comはフォトやドライブなども含んでいるのかもしれませんが、それでもかなりの差です。
画像出典:bing.com vs google.com Traffic Comparison | Similarweb
「伸びしろしかない!」とも言えますが(笑)、ここまで差があると大きな変化も起きづらいでしょう。
Bingがシェアを取っていくためには、まずは検索結果の品質向上を行い、デフォルトとして使ってもらいやすくすることが必要です。
GoogleはChromeブラウザー・Google アカウント・Androidという強力な武器もあるので一筋縄ではいかないとは思いますが、競争相手がいなければ検索結果の品質も向上しないので、Bingにはがんばってもらいたいですね。
以下の記事は2年前のもの(2022年4月)ですがGoogleの検索結果が有用ではなくなったといった内容で2024年2月の今でも実感としては変わっていません。
またBingを運営しているMicrosoftと協業しているOpenAIからも検索エンジンがリリースされるのでは?という記事も最近公開されました。検索の一部にBingが使われるということなので、こちらも期待したいですね。
The Informationによると、新しい検索サービスもBingによって一部の役割が担われると推測されているとのこと。Googleが生成AIによる検索体験の向上を着々と進めている中、競合する検索サービスと生成AIサービスが引き続き協力を深め、Googleが強い勢力を維持しているウェブ検索サービスに堂々参入するのではないかと考えられています。
OpenAIがBingを活用したGoogle対抗のウェブ検索サービスを開発中か - GIGAZINE
StatCounterは正確なのか?
StatCounterの情報を今回使いましたが、正確なのだろうか?と思う人もいるかもしれません。この手の値はサンプル数が限定的なので、あくまで参考値として見る必要があります。SimilarWebと同じですね。
SEO業界で著名な辻正浩さんも同じことを言っています。
つまり言いたいのは、StatcounterやSimilarwebなどは貴重な公開データで参考に使うのは問題ないものの、サンプル数が少なく色々な環境変化の影響を大きく受けるので誤った数値も多く、信頼出来るものではなくので、データの使い方には厳重な注意が必要、ということです。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) May 11, 2023
あくまでひとつの情報源からはこういう風に見えると思ってもらえればよいと思います。
それでは、また。