年末年始の売り込み時期でも何も変わらないようではユーザーに顔が向いていないのではないかと思うAdobe.co.jpと対照的なAdobe.com


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概要 ▶ 画像を見てください。これは年末のAdobe.co.jpのトップページです。営業的な視点から言えばAdobe.co.jpの年末年始のトップページは最悪だったように思える。製品が出るからそれをアピールしたい気持ちはわかるのですが、Adobe.co.jpの人たちには「売り込み時期」という概念がないようです。Acrobat7が1月に発売されるからといって、年中行事を無視した完全プロダクトアウト思考のトップ
やる気のないAdobe.co.jp画像を見てください。これは年末のAdobe.co.jpのトップページです。営業的な視点から言えばAdobe.co.jpの年末年始のトップページは最悪だったように思える。製品が出るからそれをアピールしたい気持ちはわかるのですが、Adobe.co.jpの人たちには「売り込み時期」という概念がないようです。Acrobat7が1月に発売されるからといって、年中行事を無視した完全プロダクトアウト思考のトップページのままだったからです。プロダクトアウトというのは製品を発想の起源としてセールスを考える方法のことを意味します。

詳しくは『ビジネス道場』の細野晴義の近未来マーケティング「第4回だんだんと買うようになる、すぐ買うようになる(1)」[bizdo.jp]の図を見てもらえば一目瞭然ですが、端的な例が書かれていますので引用します。

 PCを買うときはどうでしょうか?ついこの間まではスペックが重要でした。しかしここまでPCの性能が上昇してしまい、一般 に普及してしまうと、「音楽を楽しみたい」「家族で楽しみたい」「ブロードバンドでいつでも映画をみたい」「仕事で使いたい」などといったことが先に立つはずです。それによって必要なスペックを組み立ててあげる。デルコンピュータなどはすでにこうしたことを行っておりますが、要するに、

「顧客との対話が商品を決定してしまう」

わけです。だから、まずは顧客との対話(ダイアログ)ありき、つまり(図C)のようになるわけです。
ビジネス道場 近未来マーケティング


顧客はAcrobatという製品が買いたくてAdobe.co.jpに来るのか(プロダクトが優先されるのか)、PDFを中心とした様々な機能や利便性を求めてAdobe.co.jpに来るのか(ウォンツが優先されるのか)、といった発想を変えるだけでトップページというものが大きく変わるものだと思います。
もちろん神田昌典先生のマーケティングの書籍を読まれている方はどちらがより効果的かどうかはわかりますよね。神田昌典先生の代表的な著作のひとつである『60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法』(ダイヤモンド社)の「ニーズ・ウォンツ分析法」(93ページ付近)で考えようとすればわかるかと思います。

やる気のあるAdobe.comさて、さすがマーケティングが進んでいるアメリカのAdobe.comでは、きちんと季節に合わせた商品がトップページに表示されていました。見れば「あー、パーティのシーンを録画したものが画面に出ているな」とわかります。年末年始といえば(偏見かもしれませんが)アメリカではクリスマスパーティなどがあるでしょうから友達・仲間が集まる機会も非常に多いことでしょう。友達・仲間が集まるパーティではデジタルカメラ(デジカメ)で写真を撮ったり、楽しい様子をDV(デジタルビデオ)やデジタルカメラの動画撮影機能で撮ったりしますよね。日本でもそうですが、楽しい時間を共有した友達・仲間との思い出をいつまでも残しておきたい、そういう感情はどこの国に行ってもあまり変わることはないのではないでしょうか。
さぁ、そこでデジタルカメラの画像やDVの動画を上手に編集したり装飾したり整理したり、DVDに残したりするには何が必要?…専門の業者?…ノー、Adobe Photoshop ElementsとPremiere Elementsがあれば十分です…という風になるわけです。まずやりたいことを先に出してからページ立てをすれば「さぁ新製品だよ!」といった「家電店かよ!」みたいな雰囲気とはおさらばできるかもしれません。

企業の社会的責任を果たそうとするAdobe.comあとはさすがというか何というかFORTUNE誌でベスト100企業中の6位と言ったところでしょうか、先ほどAdobe.comのページを見てみましたらスマトラ沖地震[google.co.jp]関連ページへのリンクがトップページにでかでかと表示されています。そこからはスマトラ沖地震への寄付ができる所のリストが掲載されています。企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)とは『法令順守』するだけではなく、このような形で社会貢献することもCSR活動の一環だと感じました。(マスコミで取り上げるCSRは法令順守の話が多すぎる気がします…)お世辞ではなく本当に素晴らしい企業ですね。Adobe.co.jpももっとがんばって欲しいものです(開発者が少ないとか言わないでね)。

Adobe Ranked Best High-Tech Employer In America
SAN JOSE, Calif. ― December 29, 2003 (Nasdaq: ADBE) ― Adobe Systems Incorporated today announced that it was named by FORTUNE magazine as the sixth best company to work for in America in the magazine's "100 Best Companies to Work For" annual report. The rankings are currently available at www.fortune.com.
About Adobe - Press Room - For Immediate Release


余談ですがAmazon.co.jpとAmazon.comではスマトラ沖地震の募金に関してはAmazon.co.jpの方がトップページの真ん中でわかりやすく表示されていました。(日本時間2005年1月6日1時現在)ちなみに既に$108,438.51と1000万円近く集まっていました。(私も微力ながらAmazon.co.jpの1-Clickで募金します)


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5 評論家気取りにはウケないだろうなぁ
3 一見、素晴らしい。しかし、重大な欠陥もあると思う
5 腑に落ちた

▲腑に落ちる内容だと思います。腹には落ちません(笑)。図を描くことで戦略の位置づけが非常にわかりやすくなることがわかりました。

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