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みなさん、Illustrator 2020(Adobe CC Illustrator 24)を使っていますか?
Illustrator 2020を使っている人に朗報です。
結論はタイトルで落ちていますが(笑)、「バックグラウンドで保存」をオフにすると、Illustrator形式での保存が早くなります!
結論だけではアレなんで、実際に計測してみました。
検証に使ったファイルはカワココさんのアートワーク
検証用にどんなファイルが良いかな…と、私が考えつくのはIllustrator 10のサンプルアートである「カバーガール.pdf」です。
このデータは透明効果を大量に利用した、PC/Mac泣かせのデータだったので、保存は非常に時間が掛かります。なので、以前にこのファイルをPDF/X-1aで書き出すと、とても時間が掛かるという動画を作りました(笑)。
とはいえ、そんなの今時どこで入手するの?ということで、ほかのアートワークにします。
複雑なアートワークといえば、やはり、RIPクラッシャーの異名があるとかないとかのカワココ先生のアートワークにしようと決めました。
複雑でダウンロードしやすいものとして思い出したのは、Adobeの公式ブログに掲載されたアートワークです。
※2020年10月現在、アーカイブされているようです。Web Archiveのリンクはこちら。
こちらのページに「And you can also download the Illustrator file」とあって、こちらのリンクからIllustratorのファイルがダウンロードできます。実際はPDF形式になっているのですが、気にせずIllustratorで開きます…。
ファイルを開くとこんな感じです。細かいですね~~。
ちなみにアウトライン表示ではこんな感じ…。すごい。
このファイルを「バックグラウンドで保存」をオン・オフでどの程度保存時間が変わるのかを確認します。
「バックグラウンドで保存」の設定は環境設定(メニュー→「編集」→「環境設定」)の「ファイル管理・クリップボード」の項目にあります。デフォルト(初期設定)は「バックグラウンドで保存」する設定になっています。
今回使用したIllustratorはIllustrator 24.1.1(Illustrator 2020)です。
保存時間の計測方法
保存時間の計測方法ですが、iPhoneの「時計」アプリのストップウォッチで、完了の確認は「目視」という、とてもアナログなものとしました。なお、保存が完了したと判定した方法は以下のとおりです。
「バックグラウンドで保存」にチェックが入っている状態(「バックグラウンドで保存」をオン)では、ファイル名が書かれているタブの進捗度(●●%)の表示が消えた瞬間を完了としました。
「バックグラウンドで保存」にチェックが入っていない状態(「バックグラウンドで保存」をオフ)では、保存中にメニューの「ファイル」を連打して、メニューが展開された瞬間を完了としました(笑)。
保存時間の計測結果
それでは計測結果です。アナログなので多少の誤差は許してね。
「バックグラウンドで保存」をオン
- 8.02秒
- 7.99秒
- 7.92秒
平均:7.98秒
「バックグラウンドで保存」をオフ
- 6.83秒
- 6.89秒
- 6.80秒
平均:6.84秒
どのくらい保存時間が短くなったか
「バックグラウンドで保存」をオンの時の保存時間は平均7.98秒、オフのの時の保存時間は平均6.84秒なので、オフにした方が15%保存時間が短くなりました。
結構差が出ますね。今回は画像を含んでいないため、ファイルサイズは33MBとそんなに大きなサイズではありませんでしたが、わかりやすく差が出ています。
これならみなさんが保存時間の差が出たと感じるのもわかる気がします。
イラレ、バックグラウンドで保存できるようになったのはいいけど、時間が以前よりかかってるような気が……。仕組みなのかな。
— 祥(Sachi)/ThreadLink (@sachi_tl) February 14, 2020
Illustrator2020でのデータ作成ご希望、保存も動きも遅くて、時間もないのに作業がサクサク進まず悩んでいたらこちらのツイートで救われた。
— でざいん姉さん|佐野五月 (@irohazum_s) March 13, 2020
びっくりする程速くなりました。
ありがとうございます? https://t.co/0SBuzLRufP
イラレのバックグラウンドで保存を解除したらほんまに保存速なった。快適。
— ろくぶい(本名) (@ymnkdesignworks) March 5, 2020
場合によっては相当ファイルの保存時間が短くなるようですね。
余談:Illustrator CC(レガシー)形式で保存した場合
なお、Illustrator 2020形式ではなく、Illustrator CC(レガシー)形式で保存したらどうなるのかも計測してみました。
設定は「バックグラウンドで保存」をオフです。
- 8.95秒
- 8.96秒
- 9.02秒
平均:8.98秒
Illustrator 2020形式で保存したときより遅くなってしまいます。
以前の形式の方が効率が悪いのか、それとも変換的な動作が入るのかわかりませんが、13%保存時間が長くなってしまいました。
安易なダウングレード保存は危険ですが、保存時間の面でも不利になることがわかりました。
勝手な予測ですがiPad版Illustratorに向けて、Illustratorのクラウドドキュメント形式の保存(.aic形式?)ではさらに効率の良い保存方式になるかもしれませんね。
確実にファイルを保存するために現時点では「バックグラウンドで保存」はオフに
ほかにも以下のような「保存が終わっていなかったんかーい問題」もあるので「バックグラウンドで保存」はオフにしておいた方がいいですね。
Illustrator で開いてるドキュメントを保存して、すぐ閉じようとするとダイアログが表示されるけど、これ、OK ボタンが押されるまで保存タスクを中断しちゃうからマジ怖い。 pic.twitter.com/wSxj4z92SW
— 宮澤聖二|三階ラボ (@onthehead) March 4, 2020
Illustrator で ⌘+S → ⌘+W → アプリケーション切り替えで他のアプリを表示とかして作業を続けてると、バックグラウンドでずーっと保存されてないドキュメントが存在するから怖い。気付きづらいし。
— 宮澤聖二|三階ラボ (@onthehead) March 4, 2020
環境設定で「バックグラウンドで保存」を OFF にした方が良さげ。 pic.twitter.com/BpOYzGDgtx
補足:Illustrator 24.1.1では「バックグラウンドで保存」にバグあり
なお、本題ではありませんが、Illustrator 24.1.1では「バックグラウンドで保存」すると、「白のオーバープリントを破棄」が有効にならない問題があります。
印刷用データとして致命的な問題が発生することがありますので注意してください。
mac 10.13.6
— モリオ (@moriwaty) March 9, 2020
Illustrator 2020 ver 24.1
にて確認。
特色名の問題は解消したものの、『白のオーバープリントを破棄』は相変わらずバックグラウンド保存では効いてない。
「バックグラウンドで保存」チェックオフ推奨は変わらず。
「バックグラウンドで保存」チェックオフ推奨は変わらず。 pic.twitter.com/ct3PEqxxeB
つまり、いずれにしても「バックグラウンドで保存」のチェックはオフにしておいた方が安心ですね。
それでは、よいIllustratorライフを。
関連情報・参考資料
- Illustrator でアートワークを保存する方法(Adobe)