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はじめに
みなさん、Adobe Fontsのサブスクリプションライブラリを使っていて、突然フォントが提供終了になっていた経験はありませんか?
Adobe Fontsとは、Adobeが提供する高品質フォントサービスです。無料のAdobe ID登録ユーザー(無償メンバーシップ)でも約5,500〜6,000種類の基本ライブラリが利用可能で、Creative Cloudの有料プラン(Photoshop単体プランなど)をご契約の方は、30,000種以上のフルライブラリを追加料金なしで使い放題になります。便利ですよね。
私もDTPやウェブ制作でAdobe Fontsの前身であるTypekitの時代から活用していますが、時々ライブラリからフォントが消えることがあり、ずっと気になっていました。
そこでGemini 3 Flash Previewを使って、2019年から2026年までのAdobe Fontsのフォント提供終了事例を年ごとに調査してみました。(2026年4月9日調査、2026年4月12日改訂)
正しいかどうかはみなさんの判断にお任せしますが、参考になれば幸いです🤔
Adobeからフォント提供終了の案内
Adobeのヘルプページには、Adobe Fontsで提供しているフォントの提供が終了する場合があることが書かれています。
フォントベンダーの要求に応じて、フォントライブラリからフォントの提供を終了する場合があります。
フォントのライセンス購入や配布ができなくなった場合や、フォントファミリーが大幅に更新された場合など、様々な理由で削除が必要となる場合があります。 例えば、TypeTogether がかつて提供していた Alverata PE は全面的に刷新されたので削除され、Alverata ファミリーに替わりました。
サブスクリプションライブラリからのフォントの提供終了(Adobe)
元AdobeのPrincipal ScientistのDov Isaacs氏のAdobe Communityへの投稿にも同様のことが書かれています。
It was not Adobe's decision to no longer offer those fonts. Within Adobe, there was and still is great angst about this situation. The type foundries in question made their own business decision to no longer offer their fonts via the Adobe Fonts service, presumably believing that they could increase their own revenue by only offering them via direct licensing and with a different business model and licensing terms than was available via the Adobe Fonts service. For better or worse, Adobe has no way of forcing a type foundry to indefinitely continue to participate in the Adobe Fonts service.
Font Bureau Fonts Being Retired—Awesome! | Community
これらのフォントを提供しなくなったのはAdobeの決定ではありません。Adobe内部では、この状況に対して大きな不安が存在し、今もなお存在します。問題の書体鋳造所は、Adobe Fontsサービスを通じてフォントを提供しなくなったという独自のビジネス判断を下しました。これは、Adobe Fontsサービスとは異なるビジネスモデルとライセンス条件で直接ライセンスのみで提供することで自社の収益を増やせると考えたのでしょう。良くも悪くも、Adobeにはタイプファウンドリーが無期限にAdobe Fontsサービスに参加し続けることを強制する手段はありません。
フォントビューローフォントの廃止—素晴らしい!|コミュニティ
2019年
この年は、Adobe Fontsの「Marketplace(個別購入フォント)」サービスが11月に終了し、サブスクリプションライブラリの整理が行われました。旧Typekitの個別購入(Marketplace)限定だった書体が、サブスクリプションに統合されず削除されました。
- Adelle Basic
- Adelle Sans Basic
- Antic Slab
- Bree Basic
- Bree Serif
- Exo
- Museo(※後に復活)
- Museo Sans(※後に復活)
- Museo Slab(※後に復活)
2020年
2020年6月15日にHouse Industries、Font Bureau、Carter & Coneの3社がAdobe Fontsから撤退したため、大規模なフォントの削除が発生しました。
- Agency FB(※後に復活)
- Agenda(※後に復活)
- Alix FB
- Amplitude(※後に復活)
- Benton Modern(※後に復活)
- Benton Sans(※後に復活)
- Big Caslon(※後に復活)
- Bureau Grot(※後に復活)
- Caslon FB
- Chalet
- Chalet Comprimé
- Eagle FB(※後に復活)
- Elephant
- Empire(※後に復活)
- Escrow
- Farnham
- Fenway
- Galliard CC
- Garamond FB
- Georgia Pro(※後に復活)
- Giza
- Hermes
- House Gothic 23
- House Slant
- Ibis
- Interstate
- ITC Galliard(※後に復活)
- Luxury
- Magneto(※後に復活)
- Mantinia
- Meyer Two
- Mezz
- Miller(※後に復活)
- Miller Display(※後に復活)
- Miller Banner(※後に復活)
- Narrische
- Neutraface(Adobe Fonts版)
- Nobel(※後に復活)
- Pike
- Prensa
- Prensa Display
- Reiner Script
- Rhode
- Sign Painter
- Sloop
- Sophia
- Titling Gothic FB(※後に復活)
- Trilby
- United
- Verdana Pro(※後に復活)
- Walker
- Williams Caslon
以下はExtensisの2020年6月24日の記事「How to Handle Adobe Fonts Removal for Your Creative Work」です。
If you recently opened an Adobe creative project, you may have noticed some Adobe Fonts removed from your files. That’s because on June 15, 2020, Adobe retired 50 font families (about 700 fonts) from the type foundries Font Bureau and Carter & Cone.
How to Handle Adobe Fonts Removal for Your Creative Work
最近Adobeクリエイティブプロジェクトを開いた方は、ファイルからAdobeフォントが削除されていることに気づいたかもしれません。それは、2020年6月15日にAdobeがフォント・ビューローとカーター&コーンという書体ファウンドリーから50のフォントファミリー(約700フォント)を退役させたためです。
クリエイティブ作品のためのAdobeフォント除去の対処法
YouTubeでも取り上げている方がいました。字幕を自動翻訳にすると内容が理解できます。
2021年
2021年9月10日にモリサワおよびタイプバンクの一部フォントが提供終了となりました。日本国内で最も影響が大きかった削除事例です。一部で「モリサワショック」とも呼ばれました。
- A-OTF 太ゴ B101 Pr6N Bold
- A-OTF 太ミン A101 Pr6N Bold
- A-OTF 中ゴシック BBB Pr6N Medium
- A-OTF 見出ゴ MB31 Pr6N MB31
- A-OTF 見出ミン MA31 Pr6N MA31
- A-OTF じゅん 101/201/34/501
- A-OTF 新ゴ L/R/M/B
- A-OTF フォーク M/B
- A-OTF 丸フォーク M/B
- A-OTF カクミン R/B
- A-OTF 勘亭流
- A-OTF 教科書ICA L/R/M/B
- A-OTF 陸隷
- A-OTF リュウミン L-KL/R-KL/M-KL/B-KL/EB-KL/U-KL
- Kiez
- Tabor
- TBカリグラゴシック Std E
- TBちび丸ゴシックPlusK Pro R
- TBシネマ丸ゴシック Std M
- TB新聞ゴシック Std M
- TB新聞明朝 Std L
- TBゴシック SL/L/R/M/B/DB/E/H
- TB明朝 L/R/M/B/DB/E/H
- TBUDゴシック Std B/H
- TBUD明朝 Std H
- TBUD丸ゴシック Std B/H
- 游明朝体36ポかな R
- 游明朝体五号かな R
- 游明朝体 Pr6 R
- 漢字タイポス45/48/411/412/415 Std R
- RoぶらっしゅStd U
- Ro日活正楷書体Std L
- RoサンStd M
- Ro篠Std M
FOT-UD明朝
— トモ.オカ/MOTION LAB OSAKA (@greenlight_tomo) September 14, 2021
横画が太くて映像向きなので使いたいんだけど、モリサワショックの一件以来こわくて使えんよ、、。#adobefonts pic.twitter.com/hR1xEziXnq
この件に関するモリサワのページは以下のとおりです。
2022年
2022年から2023年の期間は、個別のフォント更新に伴う旧バージョンの「リタイア(引退)」が中心となりました。また、AdobeソフトウェアにおけるType 1フォントのサポート終了(2023年1月)に伴い、ライブラリ内の整理が進みました。
2022年6月15日にT26 Digital Type FoundryがAdobe Fontsから離脱し、提供されていたT26 Digital Type Foundryのすべてのフォントファミリーが削除されました。
- Alverata PE(※削除。現在はAlverataを提供)
- Arid
- Badge
- Balthazar
- Barking Dog
- Beit-Hillel
- Calamity Jane
- Chatterbox
- Epistolar
- Exile
- Freight Sans(一部ウェイト)(※後に復活)
- Freight Text (一部ウェイト)(※後に復活)
- Kalligraphia
- Mercer
- Rawhide
- Sforza
- Skolar PE(※削除。現在はSkolarを提供)
- The Black Box
2023年
- Aktiv Grotesk(一部の特殊ウェイト)
- Elevon
- Hanyi Senty シリーズ(一部)
- Nirmala UI
2024年
個別のライセンス契約変更による、特定書体の提供終了事例がコミュニティで報告されています。
- Aida Book
- Gill Sans MT Regular
- Guildford Pro Tilting
- Kepler(一部のバリエーション)
- Sarabun(旧データ版)※Google Fonts版移行に伴う旧データの削除
2025年
2025年4月にMonotypeから1,500以上のフォントが追加されるなどの大幅な拡充があった一方で、特定のマイナーなファウンドリの更新や権利関係が複雑な一部の古いフォントデータの整理がされました。
- Madrigal
- P22 Cezanne
- P22 Garamont
- P22 Mackinac
- P22 Marcel
- Virgin Fonts(全ラインナップ)
- Zennaro
以下はMonotypeからの2025年10月4日のお知らせです。
書体デザインとテクノロジーのグローバルリーダーであるMonotype Imaging Inc.(本社:米国マサチューセッツ州ウーバン、CEO:ナイナン・チャッコ(Ninan Chacko)、以下Monotype)は、Adobeとの長年のパートナーシップをさらに拡大したことをお知らせいたします。Monotypeライブラリと一部のファウンダリパートナーから、人気かつ高品質な数百のフォントがAdobe Creative Cloudに統合され、世界中の利用者に提供されることになりました。
Monotype、Adobeとの協力を拡大し、世界で最も有名な数百のフォントをCreative Cloudに提供 | Monotype.
Monotypeのフォントが追加されたことはAdobe BlogやAdobe Communityへの投稿にも記載されています。
Love Helvetica? Can't get enough of Arial? Craving Times New Roman? Today is your lucky day! We’ve added more than 1,500 new fonts to Adobe Fonts, including many of the most popular fonts of all time from Monotype. This is our largest font expansion in five years – and it comes at no extra cost.
More than 1,500 new fonts – including all-time favorites – come to Adobe Fonts | Adobe Blog
Helveticaが大好きですか?Arialが大好きですか?Times New Romanが欲しいですか?今日はあなたのラッキーデーです!Adobe Fontsには、Monotypeの史上最も人気のあるフォントの多くを含む1,500以上の新しいフォントを追加しました。これは過去5年間で最大のフォント拡張であり、追加費用は一切かかりません。
1,500以上の新しいフォント(歴代のお気に入りを含む)がAdobe Fonts |Adobeブログ
Some of the additions were really surprising, such as Gotham. Monotype acquired the Hoefler&Co foundry in 2021; Gotham was one of its most popular typefaces. Berthold was another foundry acquired by Monotype in 2022. Akzidenz Grotesk (aka "the original sans") was one of Berthold's biggest sellers. Vintage versions of Adobe Illustrator included Akzidenz Grotesk BE in the font pack, but those old Type 1 fonts lack some of the features added to Akzidenz Grotesk Next. I also didn't know Monotype had acquired some type families from Font Bureau. One of those is Agency FB; that entire family has been added to Adobe Fonts.
1500 new typefaces | Community
ゴッサムのように、本当に驚くべき追加要素もありました。モノタイプは2021年にヘフラー&カンパニーの鋳造所を買収しました。ゴッサムは最も人気のある書体の一つだった。Bertholdも2022年にモノタイプに買収された別のファウンドリーです。『アクジデンツ・グロテスク』(別名「オリジナル・サンズ」)はベルトルトの最大の売れ行きの一つでした。Adobe Illustratorのビンテージ版にはフォントパックにAkzidenz Grotesk BEが含まれていましたが、これらの古いType 1フォントにはAkzidenz Grotesk Nextに追加された機能の一部がありません。また、MonotypeがFont Bureauからいくつかの活字ファミリーを取得していることも知りませんでした。その一つがFB機関です。そのファミリー全体がAdobe Fontsに追加されました。
1500の新しい書体 |コミュニティ
2026年(予定・動向)
- FF Meta(一部の古い非バリアブル版)
- FF Scala(一部の古い非バリアブル版)
- Floodfonts(全ラインナップ)
- FOT-筑紫明朝 Pro L (旧データ版)※Monotype社の配信インフラへの統合に伴う旧データの非表示化
真偽は不明ですが、Google Gemini 3 Flash Previewの調べによると、フォントワークスから提供されていたフォントの「Monotype社への「移行」と「FOT-」の削除」が行われているそうです。
何が起きているか: 2023年にMonotype社がフォントワークスを買収したことに伴い、Adobe Fonts上のデータもMonotype側の管理データに順次差し替えられています。
名称の変化: 差し替えの際、従来のフォントワークス製フォントについていた「FOT-」という接頭辞(プレフィックス)が削除され、名称がシンプルになっています。
初出
初出はSNSのXのX記事です。2026年5月8日時点で13万Viewsになっています。
— 笹川純一 (@jdash2000) April 9, 2026
2026年4月12日の内容改訂について
Xにて @DTP_Transit さんから以下の指摘を受け、調査したところAdobe Fontsから削除されたフォントが再度復活する事例があるようです。
このため、再度Google Gemini 3 Flash Previewにひとつずつフォントを調査させ、復活しているフォントには「※後に復活」と注釈を付け加えさせました。
Agency FBは、まだあるようです。https://t.co/ulenx21kCf
— DTP Transit (@DTP_Transit) April 9, 2026
プロンプト
Google Gemini 3 Flash Previewには以下のプロンプトで調べてもらいました。
2019年から2026年のAdobe Fontsからのフォント削除事例を個別の事例を含めて調べて、年ごとにリストとしてフォント名をすべて挙げるようにしてまとめてください。
ReditやAdobe Communityなど英語圏のサイトも調査してください。
和文フォントだけでなく欧文フォントも含めてください。
別のソースだと2022年に「Alverata PE」「Skolar PE」が削除されているようです。この点について調査してください。
そのほか、調査結果の矛盾点などは随時プロンプトにて再調査してもらいました。
そのほか削除されたフォントについてまとめている方
SNSのXや、ブログでAdobe Fontsから削除されたフォントを調べている方がいらっしゃいましたので参考リンクを張っておきます。
まず、Adobe Illustratorで有名なはむこさんの2024年5月22日のXへの投稿。
せっかくなので、Adobe Fontsのリタイア関連で自分が観測していることだけまとめます。
— hamko (@hamko1114) May 22, 2024
(書籍などでも解説の機会があるので、未来の自分のためにも)
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✅ モリサワの25書体
2021年に提供終了。これは事前にお知らせメールもきてた。… pic.twitter.com/f8JFY1ZWyg
そしてフォントにくわしいあさうすさんの2026年4月9日公開のブログ記事。
まとめ
思った以上に、いろいろなフォントの提供が終了していました。後日復活したりしているのはユーザーとしては嬉しいですが、安定的なフォントの利用ではちょっと困ってしまいますよね。
Adobe FontsはAdobe Creative Cloudの利用料金に含まれているので、便利に使えますが、長期間の編集案件や運用案件ではフォント提供終了のリスクもあることを念頭に使うことが重要です。
Adobe Fontsの便利さとリスクを理解して活用していきましょう!